こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
いよいよレース1週間前ですね。
ここから上手に最終調整をして、調子のいい状態で本番を迎えたいところです。
1週間前からの調整で重要なのが、食事とテーパリング。
でも残念ながら、世の中には間違った食事方法やテーパリング方法も紹介されています。
間違った調整をしてしまうと、本番に体調を崩してしまいます。
それだけは絶対に避けたいですよね。
今回のテーマは、ロードバイクのレース前1週間からの、食事やテーパリングの方法についてです。
せっかく仕上げたコンディションを無駄にしないよう、正しい知識を持っておきましょうね!
レース1週間前から1番気を付けること
普段と違うことはしない
レース1週間前に、普段と違うことをしたせいで、本番に体調を崩してしまう方は非常に多いです。
その代表例がカーボローディングです。(後ほど説明します)
せっかく一生懸命練習してきたのに、慣れないことをレース前にしたせいで、無駄になってしまうこともあるのです。
そんなこと、絶対いやですよね。
大切なのは、‟普段と違うことはしない”という心がけです。
ついつい上級者の真似をして、変わったことをやりたくなってしまいますが、我慢しましょう。
レース前の変わった調整方法は、プロでも失敗することのある、超超高等テクニックだと思って下さいね。
プロにはプロの、一般人には一般人の調整を行えばいいんです。
「なんだ、当たり前のつまらない調整方法だな」
と思うかもしれませんが、残念ながらレース前は無難が一番です。
悲しいことに、この当たり前が出来ない人が多いように感じています。
すぐにみんな、変なサプリメントに手を出したりするんですよね・・・。
食事でもテーパリングでも、変わったことはせず、無難に調整しましょう。
レース1週間前からの食事
バランスのとれたいつもの食事が大事
たとえレース1週間前でも、いつも通りのバランスをとれた食事をしましょう。
胃腸の調子を整えるために、適度な野菜は必要です。
「毎日ラーメン!」なんて方は、サラダくらいは足した方がいいかもしれません(^^;)
いつもお酒を飲んでいる方は、多量でなければお酒も飲んで構いません。
一番優先したいのは、‟いつも通り”であることです。
なぜなら、いつもの食事が、一番胃腸の調子を崩しにくい食事だからです。
胃腸の調子が悪くなる時って、食べすぎたり、飲みすぎたり、普段食べないものを食べたり、たいてい普段と違うことをした時ですよね。
ならば、普段通りの食事をしていれば、調子を崩しにくいはずです。
ただし、普段から胃腸の調子が悪い人は、脂っこいものは控えてもいいかもしれません。
普段の食事で、胃腸を万全の状態にして、本番を迎えましょう。
カーボローディングの危険性
プロレベルでなければ、カーボローディングはおすすめしません。
成功すれば多少メリットがありますが、失敗すればすべてを失うからです。
なんかこう書くと、一獲千金のギャンブルのようですが、まさにその通りだと思います。
「カーボローディングって何?」
という方もいると思うので、簡単に説明しますね。
カーボローディングとは、本番に体内のグリコーゲン貯蔵量を普段以上に増やす食事テクニックです。
グリコーゲンというのは、エネルギー源ですので、カーボローディングをすれば、本番に補給食を摂る量が少なくても済みます。
確かにありがたい効果ですが、失敗時のリスクを考えると、僕は大したメリットではないと思っています。
カーボローディングの方法は単純です。
レース1週間前から、1日の炭水化物の摂取量を極端に減らします。
レース3日前から、反転して炭水化物ばかりを一気にたくさん食べます。
方法自体はとても単純ですよね。
みんながやりたくなるのも分かります。
でも、難しいのは人によって適切な炭水化物の制限量や摂取量が違うということ。
精度を上げようと思うと、炭水化物の種類まできっちり考える必要があります。
大した栄養学の知識のない一般人が、ちゃんとしたカーボローディングをするのは不可能です。
僕はこの難しさをよく知っているので、絶対にカーボローディングはしません。
カーボローディングに失敗するとどうなるのでしょうか?
1番最悪なのは、激しい腹痛と下痢に見舞われます。
急激な食事内容の変化に胃腸が追いつけないんです。
もう一つ怖いのは、本番中、急に脱力感に見舞われる症状です。
原因は詳しくわからないんですが、調整に失敗したプロでもよくある症状です。
最悪、事故につながる危険もあります。
怖いですよね。
最後にもう一度言っておきましょう。
プロでもない限り、カーボローディングは必要ありません。
サプリメントの危険性
ぶっつけ本番で、新しいサプリメントにチャレンジするのはやめましょう。
飲みなれたサプリメントだけにしておきましょうね。
薬と違い、サプリメントって、実は販売の制約がないんです。
そのためサプリメントの効果には、科学的根拠が全くありません。
販売者がサプリメントだと言えば、効果がなくてもサプリメントとして販売できてしまうわけです。
極端な話、ただの砂糖菓子を元気の出るサプリメントとして売り出しても、法的には問題ないんです。
サプリメントは体にいいもの、と思い込んでいる人は、気をつけましょう。
普段飲まない成分をレース前に摂取すると、お腹を壊しかねません。
もし、新しいサプリメントにチャレンジするなら、レースが近くないタイミングで試しに摂取しておくといいでしょう。
基本的にサプリメントは飲まない、もしくは飲みなれたものだけ摂取するのがベストです。
レース1週間前からのテーパリング
テーパリングとは
テーパリングとは、練習で溜まった疲労を本番に向けて適度に抜くことです。
テーパリングはプロだけでなく、ホビーレーサーにも必要です。
疲労がたまった状態では、本番に力を出し切れませんからね。
テーパリングは通常2~3週間前から行うものです。
1週間前からだと、テーパリングの最終段階ということになります。
この記事では、1週間前からのテーパリングについて紹介します。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
テーパリング中の練習メニュー
テーパリング中のメニューは、心肺機能向上メニューやスキルトレーニングを行います。
通常メニューはほとんど行いません。
一番の目的は、通常メニューで溜まった脚の疲労を抜くことだからです。
しかしあまりに練習しないと、心肺機能やペダリングスキルが落ちてしまいます。
ですので、疲労を抜きつつコンディションを落とさないようにするというのが、テーパリングの最大の目的になります。
具体的なメニュー内容を紹介していきましょう。
VO2maxインターバル
効果
- 心肺機能の向上
- 高強度だが、体への負担が少ない
方法
強度:最後まで走り続けられる強度で全力
ケイデンス:100〜120rpm
走行時間:2分
休憩時間:2分
本数:3〜5本×2セット
勾配:平坦か緩斜面
ペダリング練習
効果
- ペダリングスキルの向上
- ケイデンスを上げてスムーズに加速できるようになる
方法
強度:一番軽いギアで
ケイデンス:100〜150rpm(最初は100から)
走行時間:1分
休憩時間:1分
本数:3〜5本
勾配:平坦または下り
ハイケイデンスダンシング
効果
- ダンシングスキル向上
方法
強度:一番軽いギアで
ケイデンス:80〜100rpm(最初は80から)
走行時間:15〜30秒
休憩時間:3分
本数:3〜5本
勾配:緩斜面
アクティブレスト
効果
- 筋肉の循環血流量を増やす
- 筋肉や関節を温める
- 筋肉の疲労を抜く
方法
強度:一番軽いギアで
ケイデンス:100rpm以上
走行時間:30分~1時間
休憩時間:必要なし
本数:1本
勾配:平坦
テーパリング中のスケジュール例
月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 | 日曜 |
---|---|---|---|---|---|---|
レスト | VO2max | ペダリング | VO2max | ダンシング | 試走 | 本番 |
レスト→アクティブレスト
VO2max→VO2maxインターバル
ペダリング→ペダリング練習
ダンシング→ハイケイデンスダンシング
日曜を本番と過程して、レース1週間前からのスケジュール例を作成しました。
この例をベースに、自分流にアレンジしてみて下さいね。
1つだけ守ってほしいのが、ついつい強度を上げてトレーニングをしちゃわないことです。
テーパリング中は
「1週間も練習しなかったら脚力が落ちるんじゃ・・・」
と不安になります。
僕もそんな気持ちに何度もなったことがあります。
でも、1週間くらい練習しなかったところで、今まで積み重ねてきた練習は裏切りません。
勇気を出して、ちゃんと脚を休ませてあげましょう。
アクティブレストについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
まとめ
最後におさらいをしましょう。
レース1週間前からは、
- 食事はいつも通りで、適度な野菜を加えるとgood
- カーボローディングはしなくていい
- 新しいサプリメントには手を出さない
- 脚に負担をかけないメニューでテーパリングをする
これらのことを守れば、よっぽどのことがなければ失敗しないはずです。
レース1週間前って、実はとっても大事な期間です。
ここで体調を崩したら、全てが水の泡になってしまうかもしれません。
脅すわけではありませんが、体調管理だけは慎重にいきましょう。
良い体調で本番を迎えましょうね!
レース前日と当日の過ごし方については、こちらの記事もご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。