こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
集団走行やスプリントが体験できるクリテリウムは楽しいですよね。
でも、クリテリウムが苦手な方って多いんじゃないでしょうか?
それもそのはずです。
クリテリウムに必要な力は、ただロードバイクに乗っているだけでは身につかないからです。
クリテリウムを制するには、専用のトレーニングをこなす必要があります。
今回のテーマは、苦手なクリテリウムを克服するためのトレーニング方法についてです。
しっかり準備して、1位を目指しましょう!
クリテリウムが苦手な理由
実は、ほとんどの人がクリテリウムが苦手
「自分は他の人よりもクリテリウムが苦手な気がする」
とお悩みの方は多いと思います。
でも実は、ほとんどの人がクリテリウムが苦手なんです。
「でもクリテリウムに出ている人は皆速いじゃん!」
なんて声が聞こえてきそうですので、その理由も説明しましょう。
クリテリウムに出ない人たちは、ロングライドやヒルクライムがメインの人が多いですよね。
その場合、低~中強度で走行することはあっても、スプリントのような高強度で走る機会はほとんどありません。
クリテリウムに出ない人たちは、自然と低強度、長時間用の脚になっているはずなんです。
でも、クリテリウムは高強度、短時間の走行しかありません。
猛ダッシュ→コーナー→猛ダッシュ→コーナー→スプリント!
なんて感じで、とにかく高強度が多いわけです。
クリテリウムに出ていない人は、たいていそんな走り方をしないので、当然クリテリウムのような走り方は苦手なはずなんです。
では、実際にクリテリウムに出ている人は、なんで皆速いのでしょうか?
それは、皆クリテリウムをたくさん経験して、対策をしてきているからです。
今は速い人たちも、最初はきっと苦手だったはずです。(もちろん、いきなり走れる天才体質もいるかもしれませんが)
クリテリウムが苦手なのは、あなただけではありません。
最初はほとんどの人が苦手なんです。
今は苦手でも、これからトレーニングして、克服していきましょう。
では、クリテリウム克服に向けて、何を強化していけばいいのでしょうか?
クリテリウム克服に向けて何を強化すべきか?
クリテリウム克服に向けて必要なのは
- インターバル耐性
- スプリント力
- バイクテクニック
の3つです。
インターバル耐性
まずはクリテリウムに1番重要といっても過言ではない、インターバル耐性について解説しましょう。
インターバル耐性とは、‟何回も”ダッシュできる力のことです。
インターバル耐性のない人は、1、2回ダッシュすると、疲れてしまいます。
でもインターバル耐性がある人は、10回だってダッシュができるわけです。
先ほど説明した通り、クリテリウムはコーナーからの加速(ダッシュ)を繰り返す競技です。
インターバル耐性がない人は、スプリント勝負になる前に、疲れて千切れてしまうでしょう。
クリテリウムが苦手な人が、1番足りていない能力なので、しっかり鍛える必要があります。
スプリント力
インターバル耐性さえあれば集団についていくことはできるので、スプリントが出来なくても上位には入れます。
しかし1位をとるためには、やはりスプリント力が必要です。
スプリント力は、文字通りスプリントで周囲をぶっちぎる力のことです。
インターバル耐性と似ていますが、スプリント力はパワーの大きさが重要です。
銃に例えるなら、インターバル耐性は弾数で、スプリント力は弾の威力です。
バズーカのようなスプリント力があれば、ゴール勝負で必ず勝てるでしょう。
スプリント力がない人は、逃げ切りで勝つしかありませんので、逃げ切りが決まりにくいクリテリウムでは圧倒的に不利です。
1位を目指すなら、スプリント力も鍛えておきたいですね。
バイクテクニック
あるのとないのでは、意外と差がつくのが、バイクテクニックです。
クリテリウムで必要なテクニックは、位置取りなどの集団走行スキルや、コーナリングスキルなどです。
いくら脚があっても、集団でいい位置をとれない人は、まず勝てないでしょう。
いくら脚があっても、コーナーが下手な人は、コーナリングの度に脚を無駄使いしてしまうでしょう。
バイクテクニックがあれば、他の人よりも脚を節約できます。
脚に自信がなくても、テクニックがあれば、いい順位がとれることもあります。
僕も脚に自信はないのですが、テクニックを駆使して何とか剛脚達にくらいついていました。
クリテリウムに出るなら、脚だけでなくバイクテクニックも鍛えておきましょう。
クリテリウム克服に向けたトレーニング方法
インターバル耐性を高めるトレーニングメニュー
ハイパワーインターバル
効果
- 乳酸耐性の向上
- 心肺機能の向上
- インターバル耐性の向上
- 終盤までに脚がなくなって千切れてしまう人に有効
方法
強度:FTP120~150%(時間分走り切れるペースで全力走)
ケイデンス:90〜100rpm
走行時間:1分
休憩時間:1分
本数:3〜5本×2〜3セット(合計本数をレースでダッシュする回数と同じにするとベスト)
勾配:平坦
SFR
効果
- 速筋の肥大
- コーナリング後の加速力の向上
- 終盤に脚の筋肉が悲鳴を上げ始める人に有効
方法
強度:FTP120~150%(時間分走り切れるペースで全力走)
ケイデンス:50rpm以下
走行時間:30秒〜1分
休憩時間:5分
本数:3〜6本
勾配:緩斜面
※ギアはなるべく重くする
スタートダッシュ
効果
- コーナリング後の加速力アップ
- コーナー後の加速力が足りない人に有効
方法
強度:パワーは気にせずとにかく全力で
ケイデンス:?(停止状態から数漕ぎの加速力を鍛える)
走行時間:15秒
休憩時間:5分
本数:3〜5本
勾配:平坦
※停止状態から重いギアでなるべく力強く漕ぎ始める練習です。
スプリント力を鍛えるトレーニングメニュー
スプリント練習
効果
- スプリント力の向上
- ペダリングスキルの向上
- 瞬発力の向上
- 速筋の肥大
方法
強度:パワーは気にせず全力で
ケイデンス:120〜140rpm
走行時間:10〜20秒
休憩時間:5分
本数:3〜5本
勾配:平坦
ハイケイデンスダンシング
効果
- ダンシングのペダリングスキル向上
- スプリントでハイケイデンスを維持できるようになる
方法
強度:一番軽いギア(インナーロー)で行う
ケイデンス:100rpm以上
走行時間:15〜30秒
休憩時間:3分
本数:3〜5本
勾配:緩斜面
スプリントが上手にできなくてお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。
バイクテクニックを鍛えるメニュー
コーナリング練習
場所
車や歩行者のいない河原の道や車のいない駐車場、公園がオススメです。
多摩川だとU字コーナーがたくさん出てくるので、練習しやすいです(ただし歩行者もいるので注意)。
駐車場なら、なんでもいいので何か目印(白線の角とかでもOK)を決めて、そこを起点にコーナリングしてみましょう。
人に迷惑のかからない駐車場にしましょうね。
方法
- まずは外側荷重のコツをつかみましょう
- 先ほど紹介したコツ(お尻を浮かし視線は前)を意識して、コーナリングをします
- それが出来たらアウト側からコーナリングをする練習をしましょう
- それも出来たら早めの減速、加速の練習です
- 最低限の減速からなるべく早めの加速に繋げられるよう、繰り返し練習して洗練させましょう。
※特に外側荷重の練習は一番重要ですので、一番時間をかけて行なってください。
コーナリングに苦手意識がある人は、こちらの記事もご覧ください。
クリテリウム用のトレーニングスケジュール
メニューのおすすめ頻度
各メニューのおすすめ頻度は
インターバル耐性メニュー→週3回以上
スプリントメニュー→週1回以上(上級者は2回以上)
テクニック練習→週1回以上(休息日にやると良い)
となります。
それぞれの理由を簡単に説明しましょう。
インターバル耐性を上げるには、心肺機能の向上が欠かせません。
心肺機能を強化しようと思うと、週3回以上心肺に負荷をかけてあげる必要があります。
スプリント力をあげるには、筋力とスプリントテクニックが必要です。
スプリントが苦手な人は、たいていテクニックが不足しています。
テクニックを鍛える場合、頻度は週1回でも構いません。
でも上級者だけは、筋力も鍛える必要があるので、週2回以上の練習が必要です。
テクニック練習も、先ほどと同じ理由で、週1回でOKです。
負荷が低い練習なので、休息日に行うのがオススメです。
トレーニングスケジュールの例
1週間のクリテリウムに向けたトレーニングスケジュールをたててみました。
月曜日:休息日
火曜日:ハイパワーインターバル
水曜日:休息日(コーナリング練習)
木曜日:SFR
金曜日:休息日
土曜日:スプリント練習かハイケイデンスダンシング+中距離練習
日曜日:スタートダッシュ+長距離練習
いかがでしょうか。
平日に練習時間が取れない方でも実施しやすいよう、無理のないスケジュールにしています。
合わない人は、ご自身の練習スタイルに合わせてアレンジしちゃってください。
まとめ
最後におさらいをしましょう。
クリテリウムを克服するためには
- インターバル耐性
- スプリント力
- バイクテクニック
をそれぞれ鍛えることです。
紹介した各メニューを行って、クリテリウムにチャレンジしましょう。
そして、これらの対策は非常に重要なんですが、やっぱり経験も大事です。
最初はうまくいかないことの方が多いですが、何度もチャレンジしてみて下さい。
どんなに苦手でも、初心者クラスなどであれば、練習次第で1位を狙えますよ!
頑張りましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。