こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
ロードバイクのトレーニングを考える時は、どれくらいの距離を走るのかも考えなければいけません。
トレーニング距離は少なすぎても多すぎてもダメなので、難しいですよね。
一体何キロくらい走るのがトレーニングにちょうどいいのでしょうか?
今回のテーマは、ロードバイクトレーニングに必要な理想の距離についてです。
トップレベルのホビーレーサー達の練習距離を参考にして、理想の距離をお伝えしますね!
トレーニング量は何で決まる?
トレーニング量は”時間×強度”
トレーニングの効果は、”トレーニング量をどれくらいこなせたか”に影響されます。
たくさんトレーニングをしたら、脚力がつくのは当然ですね。
ではそのトレーニング量、何で決まるかご存知でしょうか?
大抵の方は「総走行距離」と答えそうですが、実は距離だけではありません。
トレーニング量は”時間×強度”で決まります。
ちなみに、トレーニング量をスコア化したTSS(トレーニングストレススコア)というものもあります。
TSSを使うとトレーニング量の管理が分かりやすくなります。(後ほど詳しく説明します)
時間は距離に変換できる
じゃあ距離はどうでもいいのかというと、そうではありません。
トレーニング時間とトレーニング距離はほぼ同じだからです。
トレーニング計画を立てる時はルートを決めますが、時間より距離で考えた方がルートが決めやすいですよね。
おおざっぱにはなりますが、時間は距離に変換可能です。(2時間練習したいなら40㎞くらい、等)
そういう意味でトレーニング量に距離を使うことは有効です。
つまりトレーニング量は”距離×強度”とすることも出来るわけです。
時間と距離、使いやすい方を使ってもらえばいいんですが、距離の方が使いやすいと感じる方が多いようです。
時間を距離に変換する方法は、その人のネット平均速度(サイコンに表示される平均速度)によって変わりますが、時速20km〜25kmの人が多いので、この後の例では時速20kmとして換算していきます。
その場合、2時間トレーニングの距離→20×2=40kmです。
簡単ですよね。
TSSの簡単計算法
TSS(トレーニングストレススコア)とは、トレーニングで体にかかった負荷、つまりトレーニング量を数値化したものです。
走行時間と強度(パワーデータ)を使用して、やや複雑な計算式を使って計算されます。
お持ちのサイコンで自動算出してくれるなら、非常に楽ですが、そんな機能のついたサイコンを持っていない人も多いですよね。
そんな人でも大丈夫なように、超簡単なTSS算出方法をお伝えします!
- のんびり速度で走った→1時間につき25TSS
- まあまあの速さで走った→1時間につき50TSS
- 全開で20分以上の距離を走った→1時間につき100TSS
- 全開で20分以下の距離を走った→5分につき10TSS
実際に例をあげてみましょう。
全100km(5時間)の距離を基本のんびりで走り、途中で30分かかる登りを全力で登った
→のんびり区間は4.5×25=113TSS、登りは0.5×100=50TSS
この場合、この日のトレーニング量は163TSSとなります。
このTSSをたくさん貯めた人が、速くなっていけるというわけです。
ちなみに1週間で合計700TSS練習できるのが理想だそうです。
単純計算だと毎日1時間の全開ヒルクライムをすればやっと到達できる量です。
いかがでしょうか?
「TSSとかめんどくさいな」
「TSSって便利じゃん!」
様々な意見があると思います。
TSSは便利なスコアですが、面倒な人は必ずしもTSSを計算してトレーニングする必要はありません。
ただ、これだけは頭に入れておいてください。
トレーニングに最適な距離(時間)は強度の影響を受けます。
今まで長々と説明してきたのは、この一言を言いたかったためです。
低強度で長距離と、高強度で短距離は同じトレーニング量になります。
このことを知ってもらった上で、強度に応じたおすすめのトレーニング距離を紹介していきたいと思います。
有名ホビーレーサー達のトレーニング距離
以下の内容はこれらの書籍をもとに走行距離を考察、計算して、紹介しています。
1日に走る距離
兼松大和選手:70km
星野貴也選手:100km
中村俊介選手:100〜150km
井上亮選手:100〜200km
奈良浩選手:120〜150km
清宮洋幸選手:150km
中村龍太郎選手:150km
森本誠選手:150〜200km
田中裕士選手:200km
週末に、各選手が1日で走る距離は以上のようになりました。
全体の傾向として、100km〜200kmを1日で走る選手が大半なようですね。
1週間に走る距離
中〜高強度(テンポ走以上)トレーニングメインの選手
星野貴也選手:250km
中村龍太郎選手:290km
中村俊介選手:350km
兼松大和選手:350km
森本誠選手:420km
奈良浩選手:510km
井上亮選手:600km
田中裕士選手:770km
低強度(LSD)トレーニングメインの選手
松木健治選手:500km
清宮洋幸選手:500km
全体の傾向
中〜高強度メインの場合は、250〜600kmでばらつきます。(田中選手は異常なので例外にします^^;)
反対に低強度メインの人は、500kmで統一されています。(二人しかいなかったので不確定ですが)
週間走行距離は人によってかなりの差がありますね。
高強度メインの人はてっきり距離が短いかと思ったのですが、長距離を高強度で走っている人も多く、なかなか衝撃的でした。
高強度なら短い距離でも速くなれるけど、長い距離を走った方がその分有利ではあるということなのでしょうか。
1ヶ月に走る距離
中〜高強度(テンポ走以上)トレーニングメインの選手
星野貴也選手:1000km
中村龍太郎選手:1200km
中村俊介選手:1400km
兼松大和選手:1400km
森本誠選手:1680km
奈良浩選手:2040km
井上亮選手:2400km
田中裕士選手:3080km
低強度(LSD)トレーニングメインの選手
松木健治選手:2000km
清宮洋幸選手:2000km
全体の傾向
先ほどの週間トレーニング距離を4倍して月間走行距離を推定しました。
どうやら最低でも1000kmは1ヶ月で走る必要がありそうですね。
低強度トレーニングがメインの場合は、2000kmが目安になりそうです。
おすすめのトレーニング距離
中〜高強度トレーニングがメインの場合
週末のトレーニングは1日に100km以上を目安に走るようにしましょう。
その上でまずは1週間で300km以上、月間走行距離1000km以上を目指すようにしましょう。
それでは物足りず、時間や気力がある人は、1週間で500km、1ヶ月で2000km走ってもいいでしょう。
ただし、オーバートレーニングにだけは注意してくださいね。
ただし中〜高強度メインのトレーニングには落とし穴があります。
初心者が中〜高強度メインで走ると、フォームやペダリングスキルが乱れる原因になってしまうということです。
中〜高強度メインのトレーニングをメインにするのは、ある程度経験を積んだ中上級者からにしましょう。
低強度トレーニングがメインの場合
週末のトレーニングは1日150km前後走るようにしましょう。
その上で1週間に500km、月間走行距離2000kmを目指してトレーニングしましょう。
まだまだトレーニング量が足りていない方は、とりあえず月間1000kmから始めて、最終的に2000kmを目指すのが良いと思います。
低強度トレーニングは初心者から上級者まで万人に効果のあるトレーニングです。
何をすればいいかわからない方は、まずは低強度での走り込みをしていくのがおすすめです。
まとめ
最後におさらいをしましょう。
- 理想のトレーニング距離は1日100km以上
- 理想の週間走行距離は300〜500km
- 理想の月間走行距離は1000〜2000km
- トレーニング量は距離(時間)×強度で決まる
いかがでしたか?
思ったより短いなと感じた方も、思ったより長いなと感じた方もいたのではないでしょうか。
僕は「そんなに走らないといけないのか」と感じました(^_^;)
やっぱり速い人はかなりの努力をされているんだなと思います。
最後に一つだけお伝えしておきたいのですが、今回紹介した距離はあくまでトップクラスのレーサー達の練習距離です。
この記事を読む大半の人が、まだトップクラスではないはずです。
ですので、おすすめした距離はあくまで理想的な距離だと捉えておいて下さい。
いきなり無理やり走行距離を増やす必要はありません。
まずは少ない距離から始め、焦らずに徐々に理想の距離を目指しましょう。
くれぐれも無理はしないで下さいね。
まだまだ自分は初心者だという方は、初心者に優しいこちらの記事もご覧ください。
この記事の内容が皆さんのトレーニングの手助けになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。