【専門家監修】腰痛を減らすロードバイクのポジションとは?

フィッティング
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こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。

ロードバイクに乗っている方で、腰痛に悩まされる方は非常に多いです。

それはロードバイクに乗る姿勢が、腰に負担をかけやすい姿勢だからです。

腰痛になる原因はいくつかありますが、今回は腰痛を減らすロードバイクのポジションについて紹介しましょう。

運動の専門家である理学療法士としての知識が皆さんのお役に立てれば光栄です。

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腰痛になる原因

乗車姿勢が悪い

乗っているだけで腰に負担がかかる姿勢があります。

具体的には、腰が曲がりすぎているか、伸ばしすぎているか、どちらかです。

腰が伸びている例と、腰が曲がっている例の写真を紹介しましょう。

腰を曲げた姿勢は腰に大きな負担をかけます。

長時間腰を曲げた姿勢でいると、椎間板という組織に負担がかかり、最悪ヘルニアを引き起こすこともあります。

ちなみに椎間板とは、1つ1つの背骨の間にあるクッション材の役割を果たす組織です。

椎間板がつぶれると、腰痛以外にも身長が縮んでしまうという迷惑な症状も引き起こします。

もう一つは、腰を伸ばしすぎた姿勢です。

ロードバイクの正しいフォームは腰を伸ばす姿勢をとります。

ですので、腰を伸ばした姿勢は本来いい姿勢です。

ただこれは、十分な筋力がついている人に限ります。

たとえば、まだ筋力が不十分な初心者がいきなりプロと同じフォームをしたら、間違いなく腰痛になります。

ですので、自身の筋力以上に腰を伸ばしすぎてしまうのも、腰痛の原因になってしまうのです。

漕ぎ方が悪い

悪い漕ぎ方をしていると、腰痛を引き起こすことがあります。

なぜ、腰に負担がかかるのでしょうか?

それは、脚の筋肉を使わずに腰の筋肉を使って漕いでいるからです。

ロードバイクは脚の筋肉だけでなく、腰やその他全身の筋肉を動員してペダリングをします。

脚や腰などの筋力の総和が、ペダルを踏む力になります。

ですので、脚の筋肉を使わなくても腰の筋肉がその分頑張れば、案外走れてしまいます。

脚だけで漕ぐのも良くないのですが、腰痛を引き起こすのは、腰の筋肉ばかり使って漕ぐ場合です。

脚の筋肉が不足している人は腰の筋肉でカバーするため、そんな漕ぎ方になりがちです。

腰の筋肉ばかりに負担をかけて漕いでいるから、腰痛が引き起こされるというわけですね。

背骨の状態が悪い

腰痛の原因のうち一番やっかいなのが、そもそも背骨に病的な問題がある場合です。

具体的には、背骨の骨と骨の間が狭くなってしまう脊柱管狭窄症や、背骨の位置がずれるすべり症などの病気になってしまっている場合です。

背骨の状態が悪ければ、いくら姿勢や漕ぎ方を治しても、一時しのぎにしかなりません。

病院で適切な治療をうける必要があります。

背骨が悪いと自分の力でどうにもできないので、非常に厄介です。

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腰痛を引き起こすポジション

腰痛を引き起こすのは、以下に該当するポジションです。。

  • ハンドルが低すぎる
  • サドルが前または後ろすぎる

詳しく見ていきましょう。

ハンドルが低すぎる

最も腰によくないのが、ハンドルが低すぎるポジションです。

テーブルと椅子でデスクワークをする場合で考えてみましょう。

椅子よりも低い位置にある机で長時間作業をしたら、腰に悪そうな気がしませんか?

ロードバイクでも同じです。

低すぎるハンドルを握ろうとすると、腰を深く曲げるか、腰の筋肉に負担をかけて深い前傾姿勢をとらなければなりません。

プロがハンドルを低い位置にできるのは、筋肉がしっかりついているからです。

腰を伸ばして深い前傾姿勢がとれる筋力があれば、ハンドルは低い方がいいですからね。

でもプロのようなポジションは、大抵の一般人にとっては腰を痛めてしまうポジションです。

腰痛になったら、ハンドルの位置の見直しは必須です。

ちなみにサドルが高すぎるのも、相対的にハンドルが低くなってしまうので、同じ理由で腰痛につながります。

サドルが前すぎる

サドルを前にしすぎていても、腰痛を引き起こすことがあります。

サドルを前に出すと骨盤を前に倒しにくくなり、代わりに腰が曲がってしまうからです。

ロードバイクで上半身を前傾させる際は、骨盤から前に倒すのが正しい方法です。

しかしポジションや柔軟性に問題があると、骨盤ではなく腰を曲げて上半身を倒す姿勢になってしまいます。

これが腰に負担をかけてしまいます。

サドルを前に出すと骨盤を前に倒しにくくなるのは、実際にやってみるとわかりやすいので、確認する方法を紹介しましょう。

まずは今座っている椅子の後方に深く腰掛けてください。

ロードバイクに乗るときのように腰を伸ばしながら上半身を前に倒しましょう。

では上半身の位置はそのままに、お尻の位置だけ前にずらしてください。

腰が曲がりませんか?

もし曲がらなかったとしたら、おそらく上半身も一緒に前に動いちゃってます。

ぜひ一度試してみてください。

サドルを前に移動させると腰が曲がることだけ覚えておきましょう。

サドルが後ろすぎる

実は、サドルが後ろすぎるのも腰痛の原因になることがあります。

先ほどサドルを前に移動させると腰が曲がるという話をしましたね。

反対にサドルを後ろに移動させると、腰が伸びます。

先ほど説明したように、腰を伸ばした姿勢は本来正しいのですが筋力がついていないと腰を痛めてしまう可能性があります。

サドルが過剰に後方だと、それはそれで腰痛の原因になってしまうのです。

前過ぎても後ろ過ぎてもダメで、おまけにハンドルの位置にも影響を受け、体格の個人差も大きい。

このあたりがポジション調整の難しいところです。

サドルの前後位置に関して確かな正解はないのですが、過剰に前や後ろになっているのは良くないということは覚えておいてください。

では具体的なポジション調整の方法について説明していきましょう。

誰でも簡単にできるよう、なるべく少ない調整だけで済む方法だけお伝えします。

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腰痛を減らすポジション調整の方法

ポジション調整で乗車姿勢や漕ぎ方を治す

ポジションをいじることで改善が期待できるのは、乗車姿勢と漕ぎ方です。

特に乗車姿勢は9割がポジションで決まりますので、ポジション調整が最も重要になるところです。

ポジション調整で、漕ぐ時に脚の筋肉を使いやすくすることもできます。

ただポジション調整で漕ぎ方を改善するのは非常に難しい(クリート位置とかも見直さないといけない)ので、ここでは乗車姿勢を改善するポジション調整について説明していきます。

漕ぎ方(ペダリング)を改善したい方はプロのフィッティングを受けるか、こちらの記事をご覧ください。

ではいよいよ具体的な方法について解説していきます。

いじるのはサドルとハンドルだけです。

六角レンチだけ用意しておきましょう!

調整①〜ハンドルを高くする〜

まずはハンドルを一番高い位置にしてみましょう。

これだけで大抵の人は大分変わるはずです。

一番高くしてしまうのは、ハンドルを高くしすぎるデメリットがあまりないからです。

たとえハンドルが高くても、肘を曲げれば十分前傾姿勢はとれます。

実際にハンドルの位置が高いプロも多いです。

どうしてもハンドルを下げたい方は、まずは腰痛を完全に治してから、徐々に下げていきましょう。

ただ、ハンドルをこれ以上上げられない方や、それでも腰痛がとれない方もいらっしゃると思います。

そんな方は次のステップに進みましょう。

調整②〜サドルを低くする〜

次はサドルを低くしてみましょう。

サドルが下がれば、相対的にハンドルは高くなります。

これを利用してやります。

座高が下がる分空気抵抗が少し減るというボーナスもあります。

ただしサドルを下げすぎるとペダリングがしにくくなるので、5mmずつ下げていって様子をみるのがいいでしょう。

上死点(ペダルが一番高い位置)でペダルに体重をかけにくく感じたら、下げすぎです。

できる範囲で下げるようにしてみましょうね。

これでも効果がない方は、最後のステップです。

調整③〜サドルの前後位置を調整する〜

まずはサドルのできる限り先端に座ったり、後方に座ったりしてみましょう。

どちらのほうが腰痛が軽減しましたか?

もし軽減する方向があれば、そちらにサドルを移動させましょう。

これも5mm単位で調整していくことをおすすめします。

またサドルの前後位置を変えると、サドルの高さも再調整が必要になります。

前後位置が確定したら、最後に高さも再調整してあげてください。

「全部やったけど効果がなかった」

という方もいると思います。

全部試しても腰痛が改善しない場合は、残念ながら乗車姿勢以外の問題かもしれません。

その場合はポジション調整以外のこともする必要があります。

紹介していきますね。

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ポジション調整以外にできる腰痛対策

漕ぎ方を正す

脚の筋肉を使わずに、腰の筋肉ばかりを使って漕いでいると腰痛を引き起こすことは、先ほど説明しました。

反対に脚の筋肉を使ってペダリングをするコツさえつかめば、腰痛が改善するかもしれません。

脚といってもいろいろな筋肉がありますが、一番重要なのは股関節の筋肉です。

股関節を使って漕ぐことで腰の負担が軽減します。

股関節を使うコツは、太ももを大きく上下させることを意識してペダリングをすることです。

もう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

ストレッチをする

ストレッチは筋肉痛の回復を早めたり、筋肉の柔軟性を改善する効果があります。

腰回りのストレッチをして筋肉痛を治したり、股関節の柔軟性をあげることで悪いフォームの改善につなげたりすることが出来るので、腰痛改善にも効果があります。

なお、ストレッチをする時に注意点があります。

痛みが出るようなら、ストレッチしてはいけません。

筋肉が原因でない場合にストレッチをしてしまうと、腰痛を悪化させることがあるからです。

腰のストレッチをする場合は、痛気持ちいいと感じるところまでにしておきましょう。

腰の筋肉のストレッチ

  1. 四つ這いの姿勢をとりましょう
  2. そこからおへその下が地面に着くように膝を伸ばしましょう
  3. 胸を張り、両腕は曲がらないように注意して下さい
  4. お腹の筋肉が伸びる感じがあれば、そのまま30秒維持してください
  1. 座った状態でお腹の前に両腕を置きましょう
  2. お腹が前に出ないように注意して、背中を丸めましょう
  3. そのまま胸と膝をなるべく近づけていきましょう
  4. 背中の筋肉が伸びる感じがあれば、そのまま30秒維持して下さい
  5. 正常であれば、伸びる感じはしません

腰全体をほぐす骨盤体操

  1. 椅子に座りましょう
  2. 腰を後ろに引いて、猫背姿勢をとりましょう
  3. その状態からおへそをなるべく前に出し、腰を伸ばします(骨盤を前傾させる)
  4. この時頭の位置は変わらないように注意して下さい
  5. 2と3の動きを慣れるまで繰り返しましょう(10〜30回くらい)

股関節のストレッチ

ここではハムストリングスと呼ばれる太ももの裏側の筋肉のストレッチを紹介します。

  1. 立った状態から、両手で足首を持ちましょう
  2. 柔らかい人は、両手を床におきましょう
  3. その状態から膝を伸ばしていきましょう
  4. 太ももの裏が突っ張る感じがあれば、30秒間頑張って伸ばしましょう

ストレッチについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

筋トレをする

腰痛に有効なのは、体幹と下半身の筋力を強化することです。

どちらも強化することで腰部の負担を軽減する効果があります。

筋トレもストレッチと同様に、痛みのない範囲で行うようにしましょう。

体幹の筋トレ(プランク)

鍛えられる筋肉:体幹筋
推奨回数:30秒×3セット

  1. うつ伏せの状態から両肘と足先を使って体を持ち上げます
  2. 持ち上げる時は息をふーっと吐きながら、ゆっくり行いましょう
  3. 腰を丸めたり、反らしたりせずに、まっすぐな状態で体を維持します
  4. プランク中はゆっくり深呼吸しながらお腹に力を軽く入れ、手足はリラックスさせましょう

下半身の筋トレ(スクワット)

鍛えられる筋肉:大殿筋、ハムストリングス、体幹筋
推奨回数:20回×3〜5セット

  1. 肩幅に脚を開いた状態で立ちます
  2. お尻を後ろに引いて腰を落としていきます
  3. 膝が足先より前に出ないよう気を付けましょう
  4. 腰を反らしたり、丸めたりしないようにしましょう(プランクの時の姿勢と同じです)

筋トレについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

病院に行ってみる

  • どれをやっても効果がない
  • 自転車に乗っていないのに痛みが強くなってきている
  • 1ヶ月以上痛みがとれない

これらに当てはまる方は、背骨そのものに問題を抱えている可能性があります。

まずは病院で診察を受けることをおすすめします。

レントゲンやMRIで異常がないと言われても諦めてはいけません。

そういった画像診断では発見できない異常もあるからです。

そういった画像で発見できない異常の発見に関して、残念ながらお医者さんは不得意です。

「病院で異常なしと診断されたけどいっこうに痛みが治らない」

という場合は、柔道整復師のいる整体に行ってみると解決策がみつかるかもしれませんよ!

職種によって得意、不得意な分野がありますので、いろいろな職種の人にみてもらえば治せる確率は確実に上がりますよ!

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まとめ

最後に腰痛対策の流れをおさらいしましょう。

  1. ハンドルを上げる
  2. サドルを下げる
  3. サドルの前後位置を調整する
  4. 漕ぎ方を見直す
  5. ストレッチ、筋トレをする(効果が出るのは約3週間後)
  6. 病院へ行く(ひどければ早めに行きましょう)

これだけやれば、どこかに腰痛改善の糸口が見つかるはずです。

1つ1つ確実にやっていきましょうね!

痛みから開放されて、また楽しくサイクリングができるといいですね!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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