こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
ロードバイクのフォームの9割はポジションで決まります。
きれいなフォームを手に入れるには、最適なポジションにする必要があります。
とはいえ、ポジションなんてどうやって調整したらいいか分かりませんよね。
今回のテーマは、きれいなフォームを作るポジションの基本についてです。
何事も基本が大事です。
まずはポジションの基本を知り、そこに合わせて出来る範囲で調整していきましょう。
最適なポジションとは
![](https://more-fast.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/52ED9BD3-B15B-4011-AF33-53EE10E2066F.png)
最適なポジションとは、理想のフォームがとれるポジションのことです。
人によって腕や脚の長さなどの体格は違いますので、人によって理想のポジションも変わります。
そのためポジション調整は、理想のフォームになるようサドルやハンドルなどのパーツ位置を調整する作業になります。
最適なポジションにするためには、まず理想のフォームを知らなければなりませんよね。
理想のフォームに必要な要素は以下の通りです。
![](https://more-fast.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/EDC5AEFB-7D0B-4E14-BD43-70D29B444867-1024x899.jpeg)
間違ったポジションになっていると、
- 踵がつま先より下がる
- 膝が伸び切っている
- 骨盤が寝すぎ、または立ちすぎている
- 腰が曲がりすぎている
- 肘が伸び切っている
などといった状態を作ってしまい、理想のフォームから離れてしまいます。
理想のフォームになるよう各個人の体格に合わせてポジションを調整していきましょう。
なおフォームについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
では実際に自分でできるフィッティングを紹介していきましょう。
ポジション調整をするパーツは、サドルとハンドルの位置だけで十分です。
それ以上の調整(ステムの長さ調整)は、お金がかかる上に失敗するリスクが高いので、プロと相談してやるようにしましょう。
最適なサドルの高さ
![](https://more-fast.com/wp/wp-content/uploads/2020/04/218536A8-4ABA-40E6-8BA3-3BEFDB6650FD.jpeg)
最初にポジション調整をするべきなのは、サドルの高さです。
サドルの高さ調整によって変えられるのは
- 踵の上がり具合
- 膝の伸び
- 骨盤の前傾角度(どれくらい前に倒れているか)
の3点です。
特に膝と踵が重要ですので、この2点をみながら高さ調整をしましょう。
骨盤の前傾角度はサドルの前後位置やハンドル位置の影響も受けるので、サドルの高さだけで完成させることは出来ません。
まずは今の状態でサドルに座った時の姿勢をみてみましょう。
ペダルを下死点(一番低い位置)にして踵をつま先と同じ高さにした時、膝は少し(20度程度)曲がっていますか?
もし伸び切ってしまうようであれば、サドルが高すぎます。
少し曲がるようサドルを下げてあげてください。
サドルがあんまり低すぎるとペダルが上死点(一番高い位置)にきた時に窮屈に感じてしまうかもしれません。
そうなると、ペダルが回しにくくなってしまいます。
サドルを下げるのは、ペダルが回しにくくならない程度までにしましょう。
最適なサドルの前後位置
![](https://more-fast.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/B0D332E8-AB96-42E1-BF21-D19D193ADB5C-1024x997.jpeg)
サドルのおおよその高さが決まったら、次にサドルの前後位置の調整をしましょう。
なお、サドルの傾きは水平が無難です。
サドルの前後位置によって変えられるのは
- 骨盤の前傾角度
の1点のみです。
ただ骨盤の角度はロードバイクのフォームで一番重要な部分といっても過言ではありません。
骨盤は上半身を乗せるの土台であり、体幹の基礎を作る場所でもあるからです。
土台がしっかりしていなければ、正しいフォームは作れません。
基本的に、サドルを前にすれば骨盤は後傾し(骨盤が立つ)、サドルを後ろにすれば骨盤は前傾します(骨盤が寝る)。
ここまでは単純なのですが、どれくらい骨盤を前傾させるべきなのか、というのが問題です。
普通に考えれば、骨盤を前傾するほど深い前傾姿勢がとれるため、サドルをなるべく後ろにするのが一見正しいように思います。
しかし、そうとも限らないのが厄介なところです。
筋肉が完成されていない人が骨盤を前傾させすぎると、腰などを痛めてしまうからです。
自分の筋力で耐えられる範囲で、なるべく骨盤を前傾させてあげる(サドルを後ろへ下げる)のが、正しい調整方法です。
どれくらいまでなら大丈夫かは、実際に試すしかありません。
数キロ乗るだけじゃわからないので、100kmくらいは乗ってみて判断してください。
いきなり後ろへ下げるのはリスクが高いので、5mm単位で徐々に後ろへ下げていくことをおすすめします。
サドルを後ろに下げたときは、ハンドルに体重をかけすぎないように注意してください。
骨盤が前傾するとハンドルにもたれたくなりますが、体幹筋(腰回りの筋肉)を使って前傾姿勢を維持するようにしましょう。
頑張ってもハンドルに体重がかかってしまう人は、骨盤を前傾させすぎている可能性があります。
サドルをもう少し前にして、骨盤を後傾させましょう。
骨盤の角度について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
最適なハンドルの高さ
![](https://more-fast.com/wp/wp-content/uploads/2020/07/road-bike-4323939_1920-1024x684.jpg)
一番重要なサドルの位置を確定したら、最後にハンドルの高さを合わせましょう。
ハンドルの高さで調整できるのは
- 背骨の曲がり具合
- 肩の下がり具合
- 肘の曲がり具合
の3点です。
背骨は伸ばした状態で肩を下げ、肘を軽く曲げましょう。
この姿勢をとった時に手がある位置にハンドル(ブラケット)がくるのが、理想的です。
なお、肘が伸びてしまうのはよくありませんが、曲げるのはどれだけ曲げても構いません。
ですので、ハンドルは低すぎるより高いほうがいいです。
迷ったら高めにしてあげるといいですよ!
サドルの高さ、前後位置、ハンドルの高さ、全て調整したら、最後にもう一度フォームを確認しましょう。
理想的なフォームになっていなければ、再度微調整をしてあげてくださいね。
ポジションは気になりだすと止まらないのですが、極端に間違ってなければなんとかなります。
気にしすぎてそれがストレスにならないようにだけ、注意してくださいね。
「どれが正しいのか分からない!」
と、ポジション調整の泥沼にはまってしまったら、早めにプロにお願いしましょう。
素人は素人に出来る範囲で調整すればいいんです。
無理に調整しなくていいところ
![](https://more-fast.com/wp/wp-content/uploads/2019/11/05D3729F-FA60-4FEA-BAE9-0B2F30296B31.jpeg)
今回紹介したほかに、ポジション調整できるパーツはたくさんあります。
ステムの長さやクランクの長さなどです。
ですが自分一人の判断で、これらの調整を試みるのはおすすめ出来ません。
理由は2つあります。
1つ目の理由はお金がかかるからです。
ステムやクランクの長さを調整する場合、新しいものを購入しなければなりません。
しかり、これらはどれも安くはありません。
潤沢な予算があるのでなければ、失敗は許されません。
やるなら一発必中で適切なものを購入する必要があります。
そして、それは素人にとってかなり難しいことです。
これが、2つ目の理由でもあります。
特にクランクの長さなんて、自分の柔軟性と筋力などのパラメータも熟知したうえで決めるものです。
実際にプロの方の話を聞くと、かなり悩みますし、失敗することもあるようです。
独断でパーツを購入すると、合わずに結局別のものを再度購入するハメになる可能性は高いです。
ならば最初からプロと相談して何を購入するか決めた方が、最終的に安くなる可能性だってあるわけです。
またこれらのパーツを調整しなくても、一般人レベルであればサドルとハンドル位置だけで最適なポジションは十分作ることができます。
今回紹介したもの以外は、一人で無理に調整する必要はありません。
まとめ
最後におさらいをしましょう。
- 最適なポジションとは、きれいなフォームを作るポジション
- ポジション調整は、サドルとハンドルの位置のみでOK
ポジション調整の方法を簡単にまとめると、以下の流れになります。
- 膝が軽く曲がるサドルの高さにする
- きつくない程度に骨盤が前傾するようサドルの前後位置を合わせる
- 上半身がリラックスできるハンドルの高さにする
- それでも納得のいくポジションが出来ない場合はプロに相談する
おそらく一番難しいのはサドルの前後位置です。
幸いこれらは全て六角レンチだけで簡単に調整できます。
実際に乗りながら適宜調整していきましょう。
まずは一度、今のポジションが適切かどうか、自分のフォームを確認してみて下さいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。