ロードバイクの内股ペダリングは直すべきか?直す方法も紹介

テクニック・ペダリング
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こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。

「ロードバイクに乗ると、膝がトップチューブに当たってしまいます」
「ペダリング中、内股になってしまうのは直すべきですか?」

という悩みをお持ちの方が多いようです。

でも本当にあなたの内股は直すべきなのでしょうか?

内股にはメリットもあります。

内股を無理に直すと、速く走れないだけでなく、膝を痛めてしまうこともあり、むやみに直そうとするのは危険です。

今回のテーマは、内股ペダリングを直した方がいい人と、その直し方についてです。

体について正しい知識をつけた上で、対策していきましょう。

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内股ペダリングは直すべきか?

あなたは内股?10秒で出来る内股チェック法

まずはあなたがどれくらい内股なのかチェックしてみましょう!

必要なのは椅子だけ!たった10秒で出来ます。

読みながら一緒にやってみて下さいね。

  1. まずは背筋を伸ばし、足を肩幅くらいに開いて椅子に座ります。
  2. 座った状態からロードバイクに乗っている時のように前傾し、お尻を数センチだけ浮かしてください。
  3. この時両膝の隙間はどれくらいありますか?
  4. どれくらい隙間があるかで、あなたの内股か分かります。
隙間の程度
  • 握りこぶし一つ分前後→平均的
  • 握りこぶし二つ分以上→がに股
  • 手の平一つ分前後  →やや内股
  • 隙間なし      →超内股

となります。(確実な診断ではなく、あくまで参考です)

内股ペダリングのメリット

内股というと、あまりいいイメージがないですが、内股にするメリットもあります。

専門家によっては、「あえて内股にすべし」という意見もあるくらいです。

内股にはどんなメリットがあるのでしょうか?

強い力を発揮しやすい

人間の体は少し内股にすると、力が一番発揮できるようにできています。

試しに内股とがに股、それぞれの条件で椅子から立ち上がってみて下さい。

内股の方が立ちやすく感じた方が多いのではないでしょうか。

ペダリングの時も同じで、内股の方が大きな力を発揮しやすくなります。

これには、内股とがに股で、働く筋肉が変わることが関係しています。

内股にすると働きやすい筋肉:大内転筋、長内転筋、薄筋、長腓骨筋、短腓骨筋
がに股にすると働きやすい筋肉:梨状筋、後脛骨筋、(大臀筋)

※大臀筋は内股でもある程度働くため、カッコ付けしました。

こうやってみると、内股の方が働く筋肉の方がたくさんありますね。

さらに、がに股で働く筋肉は全て遅筋であり、大きな力を出すことには向いていません。

このことから、人間は体の構造上、内股の方が力が発揮しやすいように出来ていることが分かります。

荷重時に安定感がでる

内股だと足底の内側(土踏まず側)に体重がかかるため、安定した荷重が出来ます。

がに股だと足底の外側に体重がかかるため、荷重時にバランスがとりにくくなります。

実際に片足立ちをしながら、内側や外側に荷重してみると分かりやすいですよ。

ペダリングにおいて、荷重は重要です。

ペダルを踏む力は、筋力ではなく荷重量によって決まるからです。

荷重量はいろいろな要因によって決まりますが、その中に筋力や安定感といった要因が含まれます。

つまりペダルを強く踏むためには筋力だけでなく、荷重時の安定感も必要だということです。

がに股より内股の方が、ペダリング中に安定して荷重できます。

内股ペダリングのデメリット

内股もいいことばかりではありません。

次は内股のデメリットについて、みていきましょう。

膝や足首に負担をかける

内股になればなるほど、膝や足首はねじれます。

関節は、曲げ伸ばしや圧迫の衝撃には強いですが、ねじれには弱く出来ています。

そしてがに股よりも内股の方が、より多く脚をねじることができるため、内股の方が膝や足首に負担をかけることになります。

その結果、膝や足首を痛めるきっかけになることもあります。

トップチューブに膝が当たる

内股が強い人は、ペダリング中トップチューブに膝が当たってしまうことがあります。

膝をぶつけると痛いですし、正常なペダリングも阻害されます。

最近は太目のフレームが増えてきているので、膝が当たるリスクはさらに高まっています。

内股が極端すぎると力が発揮できない

あまりに極端に内股だと、力が発揮できません。

先ほど内股だと力が発揮しやすいことを説明しましたが、あくまでもほどほどに内股の場合です。

あまりに極端だと関節がねじれすぎて力が逃げる上に、筋肉も収縮しづらくなってしまいます。

内股チェックで「超内股」レベルの人は、力が発揮できないくらい内股になっている可能性があります。

とはいっても、超内股の人は、内股になる前にトップチューブに膝が当たってしまうので、普通にロードバイクが漕げている人は気にしなくて大丈夫です。

内股ペダリングを直した方がいい人

先ほど紹介した内股ペダリングのデメリットに悩んでいる人は、直した方がいいでしょう。

痛み等のデメリットが出現していない人は、無理に直す必要はありません。

せっかくのメリットがなくなってしまいますからね。

反対に痛みが出ている人は、特に早急に直すようにしましょう。

内股を直すためには何をしたらいいのでしょうか?

これから内股ペダリングの原因と対策について紹介していきますね。

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内股ペダリングになる原因と直し方

ポジションの問題

サドルの高さやクリートの角度や位置が悪いと内股になってしまうことがあります。

プロに合わせてもらった状態で乗っている人は問題ありません。

しかし自分でいろいろいじった人は、ポジションがおかしくなっているかもしれません。

フィッティングの問題なら対策は簡単です。

対策

プロにフィッティングをしてもらいましょう。

バイクを購入した店舗でみてもらってもいいですし、有料フィッティングサービス(ACTIVIKEがオススメ)を受けるのもいいでしょう。

フィッティングの問題ならこれで直るはずです。

有料サービスの場合、2万円くらい必要になりますが、痛いよりはマシですよね!

どうしても一人でやらなければならない場合は、こちらの記事を参考にしてください。

柔軟性の問題

股関節が外に開かない

あぐらがかけないくらい股関節が固いと、ペダリングが内股になってしまう可能性があります。

対策

柔軟性の改善にはストレッチが有効です。

以下の動画を参考にしてください。

扁平足

扁平足とは足底の土踏まずがつぶれてなくなってしまった足のことです。

ご自身の脚の土踏まずがちゃんとあるか、一度確認してみて下さい。

柔軟性が原因になっている場合と、筋力が原因になっている場合がありますが、ここでは柔軟性が原因の扁平足について説明していきます。(筋力は後ほど)

土踏まずがつぶれると、脚が内側に倒れるため、膝が内側に入ります。

この結果、内股になってしまうというわけです。

対策

軽い扁平足ならインソールですぐに改善できます。

ひどい扁平足だと時間がかかるので、頑張りましょう。

ロードバイクに乗っていない時も使用して、足底を柔らかくするのも有効です。

ロードバイクショップで相談して、専用のインソールを作成するのがオススメですよ!

お金をかけたくない場合は、安いインソールを試しに使ってみるのも有効ですね。

筋肉の問題

体幹の筋力不足

体幹筋とはお腹~腰周囲の筋肉で、ペダリング中に骨盤を安定させる役割を持っています。

体幹筋力が不足しているせいで、腰を過剰に反らせてペダリングをしている場合があります。

腰を反らせると、連動して内股になってしまいます。

この現象は運動連鎖というもので、人間の体の構造上仕方のないことなんです。

運動連鎖の影響で、腰を反らせると内股に、腰を丸める(猫背にする)とがに股になります。

つまり内股の原因は膝ではなく、反らせすぎた腰にあるわけです。

対策

まずは体幹筋の筋力トレーニングを行いましょう。

ペダリング中に腰を反らせすぎないよう意識するのも有効ですよ!

筋トレに関する詳しい情報はこちらもご覧下さい。

大臀筋の筋力不足

大臀筋はお尻の上側についている筋肉です。

ペダルを踏む時に、大臀筋は内股になりすぎるのを抑制する役割を持っています。

この大臀筋が不足していると、内股になってしまいます。

対策

まずは大臀筋の筋トレをしましょう。

動画の通りやって頂ければ大丈夫ですが、スクワット中内股に入りすぎないよう注意して下さい。

内股ペダリングが直るまで、この筋トレを毎日行って下さい。

体幹筋と大臀筋に関する詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。

後脛骨筋の筋力不足

扁平足が内股の原因になることを先ほど紹介しました。

後脛骨筋は足首の筋肉で、扁平足にならないように抑制する役割を持っています。

後脛骨筋の筋力不足は、扁平足の原因になります。

普段は土踏まずがあるのに、立って体重をかけると土踏まずがなくなってしまう人は、後脛骨筋の筋力が落ちている可能性が濃厚です。

対策

筋トレが有効です。

ロードバイクに乗る時だけ、インソールを使用するのも有効です。

動画で使っているチューブは100均にもありますが、ストッキングでも代用できます。

骨格の問題

関節の向きや骨の形状は、人それぞれ違います。

もともと骨や関節がねじれていて、内股になるように出来ている人もいます。

そのような場合は、内股がその人にとっての正常ですので、無理に直すと別の傷害をおこす可能性があります。

対策

残念ながら骨格に問題がある場合、対策が非常に難しいです。

出来るとすれば、フィッティングをなるべく細かく調整することと、先ほど紹介した筋トレをしっかり行うこと、無理なライドは控えることです。

整体を利用するのもいいかもしれません。

痛みがひどくなると、手術しなければならない可能性もあります。

くれぐれも無理のないようにしましょう。

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まとめ

最後におさらいをしましょう。

  • まずは内股チェックをしましょう
  • 内股にはメリットもあるため、必ずしも直す必要はありません。
  • 内股によって痛みが出たり、フレームに膝が当たる人は直しましょう
  • 内股の原因はフィッティング、柔軟性、筋力、骨格の4つです
  • いろいろな対策を試してみて、効果のあるものを探しましょう

以上が内股ペダリングへの対策の流れです。

僕の経験上速い人は少し内股で走る傾向があります。

痛みが出なければ、内股はそこまで悪いことではありません。

ご自身の体と骨格に合わせて、無理のないペダリングをしましょう!

内股で悩む人に、この記事がお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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