こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
膝は、ロードバイクで痛みが起きやすい場所の1つです。
ペダリングは膝を必ず使わなければならないので、痛いと辛いですよね。
今回のテーマは、膝の痛みの原因と対策についてです。
乗り方やポジションを中心に対策を紹介していきますね!
膝の全ての痛みに共通する原因と対策
そもそも膝に痛みが起こるのは、間違ったペダリングをしているからです。
「~の柔軟性の不足が原因!」
「~の筋力不足が原因!」
なんて話がありますが、半分間違っています。
痛みの原因になるの”ペダリング”です。
柔軟性や筋力が不足していると、間違ったペダリングになりやすいので、膝が痛くなるということなんです。
極端な話、柔軟性や筋力が不足していても、きれいなペダリングができるなら膝が痛くなることはありません。
反対に、柔軟性や筋力が十分でも、ペダリングが間違っていれば、痛みは治りません。
ですので、一番に対策すべきは柔軟性や筋力よりも、乗り方やポジションなどの改善です。
たいていの人はそれだけで膝の痛みはとれます。
それでも痛みが取れない場合は、柔軟性や筋力の著しい低下があると考えられるので、原因となっている箇所のストレッチや筋トレを追加で行うようにしましょう。
小手先だけの柔軟や筋力ではなく、まずは乗り方やポジションを見直して、正しいペダリングができるようにするのが、痛みをとる近道です。
では痛みの箇所に応じて、具体的な原因と対策を紹介していきましょう。
膝の前側(お皿の裏)の痛み
お皿の裏(奥)が痛い原因は、膝蓋大腿関節の障害が考えられます。
膝蓋大腿関節とは、お皿と太ももの骨との間にある関節です。
膝蓋大腿関節に障害が起きる原因は、2つあります。
原因その1~膝への過剰な負担~
1つ目は膝への過剰な負担によるものです。
膝の負担を軽減するためには、股関節を使ったペダリングをマスターすることです。
ペダルに力をかけた時の負担は、股関節や膝関節、足関節など各関節に分担されます。
この時にどこかの関節が使えていないと、その分他の関節に負担がかかってしまいます。
つまり股関節が使えていないと、その分膝蓋大腿関節に負担がかかってしまうわけです。
残念ながら、初心者は特にそうなんですが、股関節を使ったペダリングが出来ていない人は非常に多いです。
股関節を使うコツは、ペダルを踏みこむ時に足先ではなく、太ももを下に落とすように力を入れることです。
股関節を使うペダリングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
原因その2~お皿の位置がおかしい~
2つ目はそもそもお皿(膝蓋骨)の位置がずれちゃっている場合です。
お皿の位置が本来より上下左右にずれてしまっていると、関節の適合が悪くなる影響で痛みが生じます。
膝の靭帯に関わるケガをしたことがある人は、お皿の位置がずれていることが多いです。
これだけは、乗り方やポジション修正だけでは治せません。
お皿周りの柔軟性を改善して、お皿を正しい位置に直す必要があります。
お皿周囲のストレッチ方法を紹介しておきますね。
- 座った状態で膝を伸ばし、リラックスして下さい
- お皿を両手(親指と人差し指)で軽く持ちます
- 左右前後に動かしてください
- ちゃんとお皿(膝蓋骨)が動けばOKです
- 30秒くらいゆっくりほぐしてあげましょう
膝の前側(お皿の下)の痛み
お皿の下の痛みの原因は、膝蓋腱の損傷です。
膝蓋腱とは、太ももの筋肉の付け根になっている腱です。
膝蓋腱が損傷してしまう原因は、膝への過剰な負担。
股関節が使えていないために、膝の筋肉が働きすぎているからです。
先ほど紹介した‟お皿の裏の痛み”と同じです。
ですので、股関節を使ったペダリングをマスターするのが膝の痛みをとる方法です。
まずは安静にして痛みがとれるのを待ってから、ペダリング修正の練習をしましょう。
股関節を使うコツは、ペダルを踏みこむ時に足先ではなく、太ももを下に落とすように力を入れることです。
股関節を使うペダリングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
膝の外側の痛み
膝の外側の痛みは、腸脛靭帯の炎症(腸脛靭帯炎)が原因です。
腸脛靭帯は膝が外側に動かないように止める役割があります。
つまり、O脚のような膝が外側に開いている人は、腸脛靭帯に負担がかかりやすくなります。
勘の良い人は、この段階で気づいたかもしれませんね。
つまりペダリング時に膝が外側に開きやすい人は、腸脛靭帯炎になりやすいということです。
がに股、O脚の人は特にこの傾向があります。
一度自分のペダリングを前方からビデオ撮影してみるといいですよ。
理想はペダルの真上に膝がある状態です。
膝が開かないようにする対策は、以下の通りです。
- おへそをステムに近づけながらペダリングをする
- サドルを少し高くしてみる
- クリートの位置をなるべく内側にする
おへそをステムに近づけると腰が伸びるので、内ももの筋肉に力が入りやすくなり、膝が閉じます。
やってみると分かりやすいので、一度試してみて下さいね。
膝の内側もしくは奥の痛み
膝の内側、もしくは奥の方が痛くなる原因は、膝のねじれです。
骨格には個人差があり、人それぞれ骨の形も違います。
そのため立っている時に、つま先が外側に開いている人(がに股)もいれば、内側に閉じている人(内股)もいます。
ですがロードバイクの場合、ビンディングシューズでつま先の向きが固定されています。
この時の、つま先の向きが本来の骨格とずれていると、大変です。
たとえば普段がに股の人が、つま先がまっすぐになるようクリートをセットしちゃっているとしましょう。
体はつま先を外向きにしたいのに、外側に開けません。
足先を無理やり内側にされた状態になりますので、これが膝のねじれを生み出します。
そういった経緯で、骨格とクリート設定のズレが、膝の痛みの原因になるわけです。
対策は、クリートの向きを調整することです。
立った時のつま先の向きと、ペダルに足を乗せた時のつま先の向きが、近くなるように設定してみましょう。
ただし、立った時よりも若干内側に向けておいた方がペダリングはしやすいので、そこは微調整してあげて下さいね。
それでも痛みがなくならない人は、ビンディングからフラットペダルにしちゃうのも有効です。
フラットペダルならつま先の向きは自由ですからね。
フラットペダルにして痛みがとれるなら、間違いなくビンディングが膝の痛みの原因です。
まとめ
最後におさらいをしましょう。
冒頭で述べたように、膝の痛みの原因は間違ったペダリングをしていることです。
力のかけ方やポジションなどを調整し、乗り方を改善すれば、たいていの痛みはなくなります。
本来、自転車は膝に優しい乗り物ですからね。
膝が悪くて歩けなくても、自転車に乗れる人はたくさんいます。
この記事を参考に、自分の悪い所をみつけて適切な対策をしていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。