こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
ロードバイクの下ハンドルを握って漕いでみたことはありますか?
慣れないうちはしんどくて、フォームを維持できないものです。
でも、ちょっとしたコツや練習で下ハンドルが楽に握れるようになります。
今回のテーマは、下ハンドルフォームを楽に維持し続けるためのコツと練習方法についてです。
すぐに誰でもできるものを中心に紹介しますね!
下ハンドルフォームはなぜしんどいのか?
理由①:つい踏みすぎてしまうから
何も考えずに下ハンドルを持つと、いつもよりついつい踏みすぎてしまいます。
下ハンドルを持つことで、重心が前方に移動するからどうしてもそうなってしまうんです。
もう少し詳しく説明しましょう。
ロードバイクに乗っている時、体重は手とお尻、そして足の3点に分散されています。
そのうち、手にはそこまで体重がかけられないので、体重のほとんどはお尻と足にかかっています。
重心を後ろにすればお尻に荷重がかかるため、足は楽をできます。
しかし重心が前方に移動すれば、今度は足に荷重がかかるため、足に負担がかかってきます。
もちろんその分速度は出るのですが、足がすぐに疲れてしまいます。
そういうわけで、下ハンドルを持つと、ついつい踏みすぎてしまうんです。
理由②:深い前傾姿勢を維持しなければならないから
下ハンドルを持つと、深い前傾姿勢を維持しなければならないのですが、そもそもこの姿勢を維持するのって、きついですよね。
椅子に座りながらやったとしても、しんどい姿勢です。
実際にやってみると分かるのですが、前傾姿勢をとる時に一番負荷がかかるのが、背筋です。
背筋(はいきん)とは、文字通り背中についている筋肉の総称です。
総称というのは、実は背中には無数の筋肉があるからです。
一番力が強い背筋は脊柱起立筋ですが、他にも広背筋や多裂筋など無数にあります。
一つ一つの筋肉をいちいち覚える必要はないので、前傾姿勢には背筋が重要なんだということだけ覚えておきましょう。
この背筋が不足していると、前傾姿勢を維持するのが難しくなってしまいます。
理由③:ハムストリングスに負担がかかるから
深い前傾姿勢をとると、背筋だけでなく、ハムストリングスという筋肉に負担がかかります。
ハムストリングスとは、太ももの裏側の大臀筋の下にある筋肉です。
ハムストリングスは、力強くペダルを踏む時に働く筋肉です。
下ハンドルを持つと太ももの裏側が痛くなったり、疲れたりする方は、ハムストリングスの筋力不足が考えられます。
理由④:ペダリングがしにくくなるから
下ハンドルを持つと、ペダリングがしにくくなります。
深い前傾姿勢になると、股関節を深く曲げなければならなくなるからです。
通常のフォームでは、太ももが胸にあたるほど脚を持ち上げることはないですよね。
しかし下ハンドルを持ち、深く前傾姿勢をとると、太ももが胸にあたりそうになります。
つまり、それだけ股関節を深く曲げる必要が出てくるというわけです。
この影響で下ハンドルを持つとペダリングがしにくくなります。
ペダリングスキルを高めるには、柔軟性や筋力、そして何より慣れが必要になります。
下ハンドルフォームを楽に維持するコツ
コツ①:サドルの後ろに座る
下ハンドルを持つ時は、サドルの後方に座るようにしましょう。
下ハンドルを持つと同時にお尻を後ろへ少しだけずらすクセをつけておくといいです。
こうすることで、前方重心になることを防ぐことができます。
踏みすぎ予防に効果的です。
外からは分かりづらいので誰も気づかないのですが、プロなどの速い人も、下ハンドルを持つ時は基本的にお尻を後ろにずらしているはずです。
下ハンドルを持つ時はサドルの後ろに座る!
簡単にできるコツなので、是非試してみて下さいね。
コツ②:ギアを軽くする
ギアを軽くすることで、さらに踏みすぎを予防できます。
ギアを軽く、ケイデンスを高くすれば、ついでに下ハンドルでのペダリングスキル練習にもなって一石二鳥です。
ギアを軽くして下ハンドルを持つのは、意外と難しいものです。
スカスカ脚が回って漕ぎにくいですが、それはペダリングスキルが足りていないからです。
ペダリングスキルが上がれば、軽いギアでもスムーズなペダリングができます。
踏みすぎ予防とペダリングスキルアップのために、下ハンドルの時はギアを軽くしてみるといいですよ!
コツ③:胸を張る
胸を張ることで背筋に力が入りやすくなります。
前傾姿勢を楽に維持し続けるために、覚えておいてほしいポイントです。
下ハンドルを持つと、胸が閉じて背中が丸まっちゃう人が結構多いです。
でもこの姿勢だと、背筋に力が入らず、腰や脚に過剰な負担をかけてしまいます。
楽に下ハンドルを持つなら、背筋の力は必須です。
胸を張って前を見るようにしましょう。
下ハンドルフォームを鍛える練習方法
ここまですぐに簡単にできるコツを紹介してきました。
でも下ハンドルを楽に持てるようになるためには、ちゃんとした練習をするべきです。
少し時間と努力が必要ですが、下ハンドルを楽に持てるようになるための練習方法についても紹介していきますね。
必要な練習は以下の通りです。
- ストレッチ
- 筋トレ(背筋とハムストリングス)
- ペダリング練習
ストレッチ
ストレッチをすることで、股関節を深く曲げる柔軟性を獲得しましょう。
柔らかくなれば下ハンドル姿勢でもペダリングがしやすくなるはずです。
ストレッチは必ず毎日行い、タイミングは走った後と寝る前がおすすめです。
各筋肉を30秒×2~3セット、痛気持ちいいくらいまで伸ばしてあげましょう。
反動はつけないようにしてくださいね。
ハムストリングスのストレッチ
- 立った状態から、両手で足首を持ちましょう
- 柔らかい人は、両手を床におきましょう
- その状態から膝を伸ばしていきましょう
- 太ももの裏が突っ張る感じがあれば、30秒間頑張って伸ばしましょう
大臀筋のストレッチ
- 座った状態で、片脚を組みましょう
- 足首と膝を持ち、お辞儀してください
- お辞儀はおへそを前に突き出すようにして、背筋を伸ばしたまま行いましょう
- お尻の筋肉が伸びる感じがあれば、そのまま30秒維持して下さい
ストレッチについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧下さい。
筋トレ
おすすめの筋トレはスクワットです。
スクワットを正しく行うと、背筋とハムストリングスを一緒に強化できるからです。
ただし方法には注意が必要です。
スクワットはやり方によって鍛える箇所が変わるからです。
ポイントは、膝を足先より前に出さないことです。
これが、体幹筋とハムストリングスを強化するスクワットです。
ポイントをまとめると
- 膝は足首より前に出さない
- 背筋は伸ばし、胸を開く
- 視線は前
- 両手は前に出す
の4点です。
一度に全部意識できない人は、上から順番に、徐々にできるようにしていきましょう。
とりあえず膝を前に出さなければOKです。
膝がなるべく90度になるように頑張りましょう。(多分最初は無理です)
回数は5~20回、頻度は週2~3回程度でOKです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ペダリング練習
下ハンドルを持ったフォームでのペダリングで重要なことは、股関節を深く曲げることです。
下ハンドルを持ったら、いつもより股関節を曲げること(太ももを胸の方へ引き寄せる)を意識しましょう。
一番手っ取り早い練習は、下ハンドル縛りでLSDをすることです。
下ハンドルしか使わずに、LSD、つまり長距離をのんびり走るだけです。
下ハンドルを使うことで強制的に深い前傾姿勢で長時間ペダリングをしなければならなくなります。
最初のうちは結構きついですが、かなり効果的ですよ!
他にも、普段何気なく走る時の意識をペダリングに向けることも重要です。
股関節を曲げるよう頑張りながら漕いでいれば、自然とペダリングスキルが上達してきます。
もちろん最初はきついと思うので、短い距離から始めても構いません。
股関節を曲げる感覚がよく分からないという方は、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
最後におさらいをしましょう。
下ハンドルを持ったフォームを楽に維持するコツは以下の3点です。
- サドルの後ろに座る
- ギアを軽くする
- 胸を張る
付け焼刃じゃなく、ちゃんと練習をつみたいという方は
- ストレッチ
- 筋トレ
- ペダリング練習
をしっかりこなすようにしましょう。
特にペダリング練習は最重要です。
最初はしんどいですが、1か月くらいちゃんと練習すれば確実に効果が出る練習方法です。
頑張ってくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。