ロードバイクで骨盤を立てる姿勢はおすすめしない理由【理学療法士監修】

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こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。

ロードバイクの姿勢って、何が正解か分からないので難しいですよね。

中でも、骨盤を立てるべきか悩んでいる方は多いのではないでしょうか?

確かに、骨盤を立てるべきだという意見もあります。

ですが、僕は骨盤はなるべく立てるべきではないと考えています。

今回のテーマは、骨盤を立てるべきではない理由についてです。

ロードバイクのフォームでお悩みの方の参考になれば幸いです。

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プロは骨盤を立てていない

新城選手

新城選手のフォームは、骨盤をかなり寝かせています。

下の左下の写真を見ると分かりやすいです。

最初の写真は強度が高い時のフォームで、次の写真はそこそこの強度の時のフォームです。

強度が高い時の方が骨盤をより寝かせているのが分かりますか?

強度が高い→骨盤を寝かせる
強度が低い→骨盤を立たせる

がロードバイクの基本です。

程度の差はありますが、皆さん自然とそうなっていると思います。

極端な話、骨盤を立たせたフォームは、速く走ることを諦めたフォームともいえます。

骨盤を立たせるデメリットについては、後ほど詳しく説明しますね。

とりあえず今は、‟強度が上がれば骨盤は寝る”ということだけ覚えておいて下さい。

新城選手は極度に骨盤を寝かせるフォームの代表です。

さすがにここまで骨盤を寝かせることが出来る人は、ほとんどいないんじゃないでしょうか。

次は、骨盤を立たせるフォームで有名な別府選手もみてみましょう。

別府選手

まずは、別府選手のフォームをご覧ください。

よく骨盤を立たせたフォームとして紹介される別府選手ですが、本当にそうでしょうか?

その辺のホビーレーサーよりも、よっぽど骨盤を寝かせていると思いませんか?

別府選手はあくまで他の‟プロ選手”と比べて骨盤を立たせ気味なだけです。

一般人と比べると、骨盤を十分寝かせています。

雑誌で紹介される骨盤を立たせるフォームって、実は誤解があるんじゃないかと思っています。

プロを基準にするか、ホビーレーサーを基準にするかでは、大きな違いがあります。

ホビーレーサーは、骨盤をあえて立てる理由はないんじゃないかと思います。

とはいえ、

「でも、骨盤を立てて漕ぐと楽に感じるけど」

と思う方も多いといるはずです。

僕もこのせいで一時期骨盤は立てるべきなのか?と考えた時期もありました。

でも騙されてはいけません。

骨盤を立てると、一見楽に感じる理由をご説明しますね。

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骨盤を立てると楽に感じてしまう理由

そもそも骨盤を寝かせるのはしんどいものだから

そもそも骨盤を寝かせる姿勢って、しんどいものなんです。

上半身を支え続ける体幹筋力と、股関節を深く曲げる柔軟性が必要だからです。

骨盤を立てるとこれらが必要なくなるので、楽に感じるんです。

詳しく説明していきますね。

上半身が起きるから

骨盤を立てると上半身が起きますので、体幹筋力がそこまで必要ありません。

骨盤を寝かせたフォームは上半身が前傾しますので、体幹筋力がかなり必要になります。

骨盤を寝かせるのに慣れていない人からすれば、かなりしんどい姿勢なわけです。

なので、骨盤を立てると一見楽に感じてしまうんです。

股関節を深く曲げる必要がないから

骨盤を立てると楽になるもう一つの理由は、股関節を深く曲げる必要がなくなるから。

上半身を深く前傾した状態で脚を持ち上げるのは、股関節を深く屈曲させる必要があります。

よく意味が分からない人は、実際に試してみると分かりやすいので、やってみましょう。

椅子さえあればできるので、安心してください。

まずは椅子にまっすぐ座った状態で片足を持ち上げてみましょう。

次に、ロードバイクに乗る時みたいに上半身を深く前傾させた状態で片足を持ち上げてみましょう。

いかがでしょう?

上半身を前傾させると足が上げづらくなりませんか?

上げづらくならなかった人は、体が十分に柔らかいか、強靭な筋力の持ち主です(笑)

骨盤を立たせると、股関節を深く曲げなくてすむので、体が固い人は楽に漕げるように感じてしまいます。

以上の二つの理由から、骨盤を立たせる姿勢は、いわゆる‟楽なフォーム”です。

「楽だったらそっちの方がいいじゃん!」

なんて思ってしまうかもしれませんが、そうとも言い切れません。

もちろん骨盤を立てることのデメリットも存在するわけです。

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骨盤を立てるデメリット

力強く踏めなくなる

冒頭でも説明した通り、骨盤を立てる姿勢は強度が低い時のフォームです。

骨盤を立てると大きな力でペダルを踏みづらくなるからです。

理由は二つあります。

1つはハムストリングスという筋肉が働きにくくなることです。

ハムストリングスは太ももの裏側の筋肉で、ヒルクライムなどで重いギアを踏む時によく働く筋肉です。

このハムストリングスですが、股関節を深く曲げれば曲げるほど働きやすくなるという特徴があります。

つまり骨盤を立てると、股関節が深く曲がらないのでハムストリングスが十分に働けないんです。

これが、骨盤を立てると大きな力が出せない理由の1つです。

もう1つの理由は、骨盤を立てると後方重心になるからです。

強度を上げて漕ぐときは、重心はペダルの真上(0時の位置)にないといけません。

しかし骨盤を立てると重心が後方に移動するため、ペダルに十分な体重がかからない可能性があります。

以上の2つの理由のため、骨盤を立てると大きな力を出せなくなってしまうのです。

太ももの前側が疲れやすくなる

骨盤を立てると、太ももの前側が疲れやすくなります。

なぜでしょうか?

先ほど説明した通り、骨盤を立てるとハムストリングスという太ももの裏側の筋肉が使えなくなります。

その状態で無理に強度をあげるとどうなるでしょうか?

ハムストリングスの代わりに、太ももの前側の大腿四頭筋という筋肉がすごく頑張っちゃうわけです。

本来はハムストリングスと協力しながら力を出すはずが、大腿四頭筋だけで頑張らないといけないわけです。

そりゃすぐに疲れるのも無理はありませんよね。

以上の理由から、骨盤を立てて走ると太ももの前側(大腿四頭筋)が疲れやすくなるんです。

腰に負担がかかる

「じゃあ強度を上げなければ骨盤を立ててもいいの?」

となりそうですが、そうではありません。

骨盤を立てる乗り方は、腰に負担がかかるため、腰を痛めやすくなります。

ロードバイクは上半身を前傾させて乗る物ですよね。

正しい姿勢の場合、骨盤を寝かせることによって上半身を前傾させます。

しかし骨盤を立てると、その分腰を無理に曲げて上半身を前傾させなければなりません。

これが腰痛を引き起こすんですね。

たとえ今は痛くなくても、骨盤を立てた乗り方をしている人は、いつ腰痛を引き起こすか分かりません。

一度起こった腰痛はなかなか治らないので、起こる前に予防しておきたいところですよね。

骨盤を立てることは、腰に負担をかけることだと覚えておいて下さい。

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まとめ

最後におさらいをしましょう。

骨盤を立てるフォームをおすすめしない理由は以下の3つです。

  • 力強くペダルを踏めなくなるから
  • 太ももの前側が疲れやすくなるから
  • 腰を痛めやすくなるから

僕の感覚ですが、骨盤を立てる乗り方は時速20㎞までです。

そこからは速くなるにつれて骨盤を寝かせていく必要があります。

速く、楽に走るためには骨盤を寝かすことは必須です。

骨盤を寝かす(前傾)させる方法については以下の記事で紹介しています。

是非参考にして下さいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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