こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
ロードバイクに乗るとふくらはぎがつることはありませんか?
多くの人が一度はつった経験があるのではないでしょうか。
つるのは痛いから嫌ですよね。
なるべくつるリスクは減らしたいものです。
実はふくらはぎがつってしまうのは、ポジションが悪いせいかもしれません。
ポジション調整だけでふくらはぎをつりにくくすることが出来るのをご存知ですか?
今回のテーマは、ふくらはぎをつりにくくするポジションについてです。
ふくらはぎがつることでお悩みの方は、是非お読みくださいね!
ロードバイクでふくらはぎがつる理由
筋肉がつるメカニズム
筋肉がつるとは、筋肉がどうなった状態を指すのでしょうか?
筋肉がつるというのは、筋肉の収縮を感知するセンサーが狂ったことで筋肉が暴走(過剰な収縮)した状態のことを指します。
筋肉の収縮を感知するのは、筋紡錘や腱紡錘といった組織が関与しているのですが、これらがなぜ突然狂ってしまうのか、詳しいメカニズムはまだ正確にはわかっていません。
ただし、センサーが狂う条件はわかっています。
一番センサーを狂わせる条件は、筋肉の過負荷です。
負担をかけすぎるとセンサーがおかしくなってしまうわけですね。
要するに筋肉に負担をかけすぎると筋肉センサーが錯乱状態になり、暴走を始めてしまう、というのが筋肉がつるメカニズムです。
他にも筋肉がつりやすくなる条件として、水分や電解質異常(ミネラル不足)があげられます。
筋肉が栄養不足になると、センサーが働かなくなってしまうわけです。
ではロードバイクのどの行為がふくらはぎの筋肉に負担をかけているのでしょうか?
つる原因になっている筋肉は腓腹筋
ふくらはぎにはいくつかの筋肉がありますが、つる原因になっているのは腓腹筋という筋肉です。
腓腹筋はふくらはぎの一番表面にある筋肉で、その奥に有名な(?)ヒラメ筋があります。
腓腹筋とは、どんな筋肉なのでしょうか?
腓腹筋は足先で地面を蹴る時に使う筋肉で、ダッシュやジャンプなどをするときに非常に大きな力を発揮してくれます。
瞬間的に大きな力を出すのは得意なのですが、持久力がないのが欠点の筋肉で、すぐ疲れるという特徴があります。
先ほど足がつる原因が、筋肉の過負荷だという話をしました。
腓腹筋はすぐ疲れるくせに大きな力を出すことを要求されるので、すぐに過負荷な状態に陥ってしまいます。
これが腓腹筋がつる原因になってしまう理由です。
ロードバイクはふくらはぎに負荷がかかりやすい
ここまでの話を聞いて、勘のいい人ならロードバイクが腓腹筋に負荷を与えやすいことに気づいたはずです。
なぜなら、ペダルは足先で踏むものだからです。
クリートの位置の基本は、足の指の付け根(正確には中足骨頭)で、この位置は足の前方です。
つまり、ペダリングをする時に腓腹筋は必ず働かなくてはなりません。
そんな中、レースなどで重いギアでガシガシペダルを踏んだら、当然腓腹筋には相当な負荷がかかっているわけです。
そりゃ、つりますよね。
極端な話クリートが踵についていたら、ふくらはぎがつることに悩まされることはなかったでしょう。(もちろん力は出ませんが(^_^;))
まとめると、足先の力でペダルを踏むことを余儀なくされるロードバイクは、腓腹筋に負荷がかかりやすい乗り物なのです。
ロードバイクに乗る以上、ふくらはぎがつるリスクと常に向き合わなければなりません。
ではいよいよ、ふくらはぎがつりにくいポジションをお伝えしましょう。
ふくらはぎがつりにくいポジション
ふくらはぎをつらないようにするなら、クリートの位置を一番後ろにしましょう。
やるべきことは、これだけです。
拍子抜けされたかもしれませんが、本当にこれだけです。
クリートの位置を後ろにすることで、少しでも足先で踏まないようにすれば、腓腹筋の負担を軽減できます。
今のクリートの位置が前にある人ほど、この効果は大きく実感できるはずです。
「もうすでにクリートは一番後ろにしてある」
なんて人もいるかもしれませんね。
その場合は、まずこちらの記事でポジション全体が間違っていないか確認しておきましょう。
もし間違っていなければ、ふくらはぎがつる原因はポジションではありません。
ポジション調整以外の対策を考える必要があります。
ポジション調整以外に出来る対策
ペダリングを変える
腓腹筋に頼らないペダリングにすればふくらはぎがつるリスクを下げることが出来ます。
どんなペダリングにすればいいのでしょうか?
腓腹筋の負担を減らすには、足先ではなく股関節を使ったペダリングにする必要があります。
股関節の力を使ってペダルを踏めば、足先の負担を減らすことが出来るからです。
具体的には、ペダルを踏む時に体重を使って太ももから下に落とすイメージです。
足先は力まないように注意してくださいね!
股関節を使ったペダリングの詳細は、こちらの記事をご覧ください。
ストレッチをする
足首の柔軟性が足りていないと、腓腹筋に負担をかけることになります。
柔軟性を上げるために有効な方法はストレッチです。
足首の柔軟性に関与するのは腓腹筋とヒラメ筋ですので、この2つの筋肉を重点的にストレッチしてあげましょう。
腓腹筋のストレッチ
- 立った状態から一歩前に出しましょう
- 前脚の膝を曲げて腰を前に出しましょう
- 後ろ脚の膝が曲がったり、踵が上がったりしないように注意して下さい
- 後ろ脚のふくらはぎがつっぱる感じがあれば、その状態で30秒維持して下さい
ヒラメ筋のストレッチ
- 腓腹筋のストレッチの姿勢をとって下さい
- 後ろ脚の膝を曲げて、膝が地面に近づくように下げて下さい
- この時、踵が上がらないように注意して下さい
- ふくらはぎが突っ張る感じがあれば、その状態で30秒維持して下さい
※腓腹筋のストレッチ後にそのままやるといいです。
ストレッチについての詳細はこちらの記事をご覧ください。
筋トレをする
筋トレも腓腹筋の負担を減らすために有効です。
必要なのは、股関節筋(大臀筋とハムストリングス)の筋トレです。
足首ではなく股関節の力を使ってペダルを踏むことで腓腹筋の負担を減らせることは先ほど説明しましたね。
この股関節の力を筋トレで強化してあげましょう。
おすすめの筋トレはスクワットです。
スクワット
推奨回数:20回×3〜5セット
- 肩幅に脚を開いた状態で立ちます
- お尻を後ろに引いて腰を落としていきます
- 膝が足先より前に出ないよう気を付けましょう
- 腰を反らしたり、丸めたりしないようにしましょう
他の筋トレメニューにも興味のある方は、こちらの記事をご覧ください。
水分補給を怠らない
筋肉をつりやすくする原因は過負荷だけではなく、水分不足によっても起こります。
水分不足になると、血液がドロドロになり血流が悪くなります。
筋肉は血液を通して新しい栄養をもらうのですが、血流が悪くなると新しい栄養が届きません。
その結果、つってしまうわけです。
ロードバイクは本来夏場なら1時間に1ボトルくらい余裕でなくなるほど水分を取らなければなりません。
おそらく、多くの人が水分補給が足りていません。
ふくらはぎがつることに悩んでいる方は、特に水分補給を怠らないようにしましょう。
サプリメント
最後にサプリメントの話もしておきましょう。
マグネシウムなどのミネラルが足つり予防として推奨されています。
少しでもつるリスクを減らしたい人は利用するのもありでしょう。
ただし、サプリメントの効果は科学的に証明されているわけではありません。
あくまでメーカー各自の独自研究で編み出された商品で、中には危険なものもあります。
もしサプリメントを購入されるなら、信頼出来るメーカーのものを使用することをおすすめします。
大事な場面でふくらはぎがつってしまった時の緊急対策
「しっかり対策したのにふくらはぎがつってしまった!」
という場合もあると思います。
普通は休めばいいだけなのですが、状況によってはそうもいってられない時もあります。
そんな時に使える、緊急対策をお伝えしたいと思います。
ただし休憩する余裕のある人は、止まって足首のストレッチと水分補給をした方が効果的です。
ペダル上ストレッチ
速度が出ている時に惰性で進みながら素早くペダル上でストレッチする技です。
やり方は簡単です。
- つった足側のペダルを下死点(一番低い位置)にします
- 膝を伸ばした状態で体重をかけて踵を思いっきり下げましょう
- つった時にやるとめちゃめちゃ痛いですが、頑張ってください
つっていない時でも腓腹筋の有効なストレッチになるので、是非お試しください。
踵ペダリング
シューズをペダルから外し、踵だけを使ってペダリングします。
背に腹は変えられないので、苦肉の策です。
ただ踵で踏めば腓腹筋のストレスはかからなくなるので、なんとか漕ぎ続けることができます。
ペダルの種類によってはできない技なので注意が必要です。
まとめ
最後におさらいをしましょう。
ふくらはぎをつりにくくするためには、クリートをなるべく後ろの位置にしましょう。
またポジション調整以外にも、以下の対策があります。
- 股関節を使ってペダリングする
- 足首のストレッチをする
- 股関節の筋トレをする
- 水分補給を怠らない
- サプリメントを使用する
ふくらはぎがつりやすい人は、この中でもペダリングが原因となっている場合が多いです。
ペダリングは、すでに癖になってしまっていると直すのが大変です。
ただ、少しだけでも直せれば、ふくらはぎがつらなくなるかもしれませんので、頑張ってみる価値はあると思います。
まずは実際に試してみてくださいね!
今回たくさん紹介した対策が、皆様のお役に立てれば光栄です。
最後までお読みいただきありがとうございました。