こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
速くロードバイクで走るためには、高いFTPが必要です。
FTPを上げるために日々努力している方も多いのではないでしょうか。
でも、効率的なFTPの上げ方を知っている人は、案外少ないんじゃないでしょうか。
効率的なパワートレーニングでFTPはたった3週間で上げることも出来ます。
今回のテーマはFTPを上げるパワートレーニングについてです。
レース本番まで時間がない人は、必見です!
3週間でFTPを上げるパワートレーニング
3週間でFTPが上がる理由
3週間でFTPを上げるミソは、心肺機能強化に特化したトレーニングメニューをこなすことです。
通常ロードバイクのトレーニングは3か月のサイクルで行います。
そのためFTPを上げるためには、3か月かけるのが王道です。
でもそれは、筋力をつけるところから始める場合は3か月かかるという意味です。
ざっくり言うと、FTPを決めるフィジカルは、筋力と心肺機能です。(テクニック面は割愛します)
筋力は、トレーニングを始めてから強化されるまでに、3週間以上かかると言われています。
しかし、心肺機能はたった2週間でも強化することが出来ます。
そのため心肺機能強化に特化したメニューをこなせば、短期間でもFTPを上げることができるわけです。
少々荒いやり方ですが、3週間でもFTPは上げられます。
では実際に、どんなメニューをこなしていくのがいいのでしょうか?
3週間のトレーニングメニュー
トレーニングメニューのポイントは
- 平日は短時間高強度(L5)のメニューを中心に練習する
- 時間のとれる土日はLTインターバルを行う
- 最初の2週間に休息日は設けない
- 最後の1週間は疲労を抜きつつ効果を持続させる
となります。
トレーニングスケジュール
※以下のメニュー名は語尾の‟インターバル”を省略しています。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1週目 | VO2 max | スピード | VO2 max | スピード | VO2 max | LT | LT |
2週目 | VO2 max | スピード | VO2 max | スピード | VO2 max | LT | LT |
3週目 | 休息日 | VO2 max | ハイパワー | VO2 max | 休息日 | VO2 max | 本番 |
VO2maxインターバル
強度:FTP105〜120%
ケイデンス:100〜120rpm
走行時間:2分
休憩時間:2分
本数:5本×2セット
勾配:平坦か緩斜面
スピードインターバル
強度:FTP105〜120%
ケイデンス:90〜100rpm
走行時間:3〜6分
休憩時間:3分
本数:5本
勾配:平坦か緩斜面
LTインターバル
強度:FTP90〜105%
ケイデンス:90rpm
走行時間:10分〜30分
休憩時間:5〜15分
本数:2〜4本
勾配:目的に応じて
ハイパワーインターバル
強度:FTP120〜150%
ケイデンス:90〜100rpm
走行時間:1分
休憩時間:1分
本数:3〜5本×2〜3セット
勾配:目的に応じて
各メニューの詳細はこちらをご覧ください。
注意点
3週間という短期間でFTPを上げる分、いくつかの注意点があります。
ある程度の筋力がないと効果がない
冒頭でも述べた通り、紹介したトレーニングは心肺機能強化に特化したメニューです。
つまり元々筋力がない人には、効果がありません。
筋力が足りない人が無理に高強度の練習をすると、体を痛める原因にもなります。
ですので、ロードバイクに乗り始めの初心者や、1か月以上全くバイクに乗っていない人はやめておきましょう。
週1以上でバイクトレーニングをしている方は、ある程度筋力もあると思うので、効果があるはずです。
筋力があればあるほど、効果が出やすいので、筋力がある方が有利です。
バイクに乗っていない人は注意しましょう。
休むとすぐにFTPが下がる
心肺機能は短期間で強化しやすい分、短期間で低下しやすいという特性があります。
本番後、1週間練習しなければ、あっという間に元のFTPに戻ってしまうでしょう。
トレーニング期間中に、1日や2日メニューをさぼっても、効果が出にくくなってしまうので注意して下さいね。
長期的にFTPを上げたい方は、やはりちゃんと時間をかけてFTPを上げる必要があります。
本番まで時間がある方は、3か月の練習期間を取った方が、ちゃんと脚力をつけることが出来ます。
では、3か月かけてFTPを上げる方法も紹介していきましょう。
3か月でFTPを上げるパワートレーニング
トレーニングに3か月かけるメリット
トレーニングに3か月かけると
- 筋力と心肺機能をバランス良く強化することができる
- トレーニング効果が長続きする
- 3週間の練習よりもFTPがより上がる
- 誰にでも効果がある
といったメリットがあります。
繰り返しになりますが、FTPは筋力と心肺機能で決まります。
3か月かけて筋力も鍛えることで、よりFTPが上がるのは、当然なわけです。
3か月(12週)のトレーニングメニュー
トレーニングメニューのポイントは
- 前半で筋力を鍛える(L3〜L4中心)
- 後半は心肺機能も強化する(L4〜L5中心)
- トレーニング頻度は週4日
- 最後の3週間は疲労を抜きつつ効果を持続させる
となります。
トレーニング頻度が週4回でいい理由に関しては、こちらもご覧ください。
トレーニングスケジュール
※語尾のインターバルは省略
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1〜3週 | 休み | SST | 休み | 筋持久 | 休み | ベース | テンポ |
4〜6週 | 休み | LT | 休み | 筋持久 | 休み | SST | テンポ |
7〜9週 | 休み | スピード | 休み | スピード | 休み | LT | SST |
10週〜 | 休み | VO2 max | 休み | スピード | 休み | VO2 max | LT |
テンポ走
強度:FTP75〜90%
ケイデンス:70〜80rpm
走行時間:1〜2時間
休憩時間:0〜20分
本数:1〜3本
勾配:いろいろな勾配を満遍なく含むコースで
ベース走
強度:FTP75〜90%
ケイデンス:90rpm
走行時間:1〜2時間
休憩時間:0分
本数:1本
勾配:いろいろな勾配を満遍なく含むコース
SST(スイートスポット走)
強度:FTP88〜92%
ケイデンス:90rpm
走行時間:20分〜1時間
休憩時間:10〜30分
本数:1〜3本
勾配:目的に合わせて
LTインターバル
強度:FTP90~105%
ケイデンス:90rpm
走行時間:10分〜30分
休憩時間:5〜15分
本数:2〜4本
勾配:目的に合わせて
筋持久インターバル
強度:FTP90~105%
ケイデンス:50〜70rpm
走行時間:5〜20分
休憩時間:10分
本数:2〜4本
勾配:急勾配
VO2maxインターバル
強度:FTP105〜120%
ケイデンス:100〜120rpm
走行時間:2分
休憩時間:2分
本数:3〜5本×2セット
勾配:平坦か緩斜面
スピードインターバル
強度:FTP105〜120%
ケイデンス:90〜100rpm
走行時間:3〜6分
休憩時間:3〜6分
本数:2〜5本
勾配:目的に応じて
各メニューの詳細はこちらをご覧ください。
まとめ
最後におさらいをしておきましょう。
- FTPを決めるフィジカルは筋力と心肺機能
- 心肺機能強化に特化すれば、3週間でFTPを向上できる
- 長期的にFTPを上げたいなら3ヶ月の練習が必要
- 前半は筋力、後半は心肺機能向上を狙うメニューを行う
今回はフィジカル面に注目しましたが、FTPはテクニック面にも左右されます。
ペダリングやペーシング、ダンシングのスキル等です。
時間のある方は、テクニック面の練習もしておくと、FTPが上がりますよ!
ある程度走れるようになってからだと、がむしゃらな練習だけではFTPは上がりません。
自分に足りない要素を分析し、最適な時期に最適なメニューをこなす必要があります。
今回は、なるべく万人に効果のあるスケジュールを紹介しました。
参考にして頂ければ幸いです。
正しく練習して、FTPを上げましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。