こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
「平坦は平気なのに、ヒルクライムになるとすぐに足が疲れてしまう!」
なんて悩みをお持ちのロードバイク乗りは多いのではないでしょうか。
それもそのはずです。
そもそも平坦とヒルクライムではペダリングの方法が違いますから!
今回のテーマは、ヒルクライム用のペダリングについてです。
ヒルクライム用のペダリングをマスターして、苦手な坂道を克服しちゃいましょう!
ヒルクライム用ペダリングとは
ロードバイクの正しいペダリングとは
正しいペダルへの力のかけ方
最初に正しいペダリングについて、確認しておきましょう
理想的なペダルへの力のかけ方がこちらです。
覚えておいてもらいたいのは
- 0時〜3時の間だけ下向きに大きな力が必要
- 4時以降は下向きへの力は働かない
この2つの要素がロードバイクのペダリングにおいて、重要になります。
続いてフォームについてもみておきましょう。
正しい体の使い方
続いて体の使い方についてみていきましょう。
まずは動画で理想的なフォーム、ペダリングについて確認してみましょう。
覚えておくポイントは
- 大きく動かすのは股関節のみ
- 体幹(上半身)は安定し、リラックスしている
この2つがちゃんとできているのが、正しい体の使い方です。
詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
平坦と違うヒルクライムの特徴
- ローケイデンス、ハイトルク
- 低速度
- 車体が後ろに傾く
この3点が、平坦とヒルクライムの違いになります。
詳しくみていきましょう。
ローケイデンス、ハイトルク
坂道では、ギアを軽くしてもペダルが重いですよね。
坂道ではいくらゆっくり漕いでも、ハイトルク(強い力)が求められます。
ケイデンスを高くすると、すぐにバテてしまうため、必然的にローケイデンスにせざるを得ません。
常に一定以上のハイトルクが求められるのが、ヒルクライムの大きな特徴です。
低速
坂道では、絶対に速度が落ちます。
ロードバイクは基本的に、速度が速いほど安定します。
低速になるヒルクライムでは、バイクが不安定になりやすく、バランスをとるだけでも大変です。
低速になってバイクコントロールが求められることも、ヒルクライムの特徴です。
車体が後ろに傾く
忘れてはいけないのが、ヒルクライム時の車体の傾きです。
坂道では、車体が後ろに傾きます。
これは勾配がきつくなるほど顕著になるので、より意識しなければなりません。
車体が後ろに傾くと、重心が後方へ移動してしまうため、平坦よりも重心を前方に移動しなければなりません。
平坦より前方荷重しなければいけない点も、ヒルクライムの特徴です。
ヒルクライム用ペダリングのポイント
0〜3時で大きな力をかける必要がある
ヒルクライムではハイトルクが求められるため、0時〜3時の踏み足が重要になります。
安定したペダリングが必要
低速でもバランスを維持するため、安定したペダリングが必要になります。
重心を前方へ動かす必要がある
車体が後方へ傾く分、重心を前方へ動かして、ペダルの上に持っていく必要があります。
これらを踏まえた上で、ヒルクライム用ペダリングのコツについて紹介していきましょう!
ヒルクライム用ペダリングのコツ
体重を使って踏み込む
ハイトルクが必要なヒルクライムでは、体重を使って踏み込む必要があります。
筋肉の力だけで踏み込むと、すぐに疲れてしまうため、ヒルクライムでは体重を必ず使いましょう。
体重を使うとはどういうことでしょうか?
ポイントは重心です。
ロードバイクを漕ぐとき、重心はおへその奥あたりにあります。
ペダルが0時の位置にある時に、重心をペダルの真上に持ってくるイメージで体重をかけてみましょう。
もちろん肩をゆらすのはNGですので、腰の動き(おへそを前に出す)だけで重心を移動しましょう(詳しくは後述)。
体重がしっかりかかれば、少ない力でハイトルクを生み出すことができます。
体重をかけるペダリングが出来るようになれば、疲れずにハイトルクを出すことができる上に、ペダリングも安定します。
必ずマスターしましょう!
ハムストリングスを使う
体重を使っても、やはり筋肉は必要です。
ペダリングにはいろいろな筋肉が必要ですが、平坦と違ってヒルクライムで重要になる筋肉が、ハムストリングスという筋肉です。
ハムストリングスとは、太ももの裏側にある筋肉で、0~3時の踏み込みを力強くする役割を持っています。
ではハムストリングスを使ってペダリングするにはどうしたらいいでしょうか?
ハムストリングスを使うコツは
- おへそをステムに近づける(骨盤を前傾させる)
- 股関節の伸展を意識する
の2点です。
走り終わった後に、太ももの裏が疲れていれば、正しく使えています。
「股関節の伸展ってどうやるの?」
「ハムストリングスの筋トレってあるの?」
と疑問に思った方は、こちらの記事もご覧ください。
おへそをステムに近づけて、胸を開く
ヒルクライムでは、フォームも平坦とは変えなければなりません。
ポイントは
- おへそをステムに近づける
- 胸を開く
の2点だけです。
おへそをステムに近づけると、重心を前方に移動でき、ハムストリングスを使いやすくなるというメリットがあります。
胸を開くのは、上半身が丸まってしまうのを避けるためです。
重心を前に持っていこうとすると、多くの人は背中を丸めて頭や肩を前に突き出そうとしてしまいます。
しかし、前に出すのはおへそだけです。
それだけで十分です。
背中を丸めるとペダリングに必要な背筋が使えなくなってしまうだけでなく、バランスがとれず不安定なペダリングになりがちです。
新城選手のヒルクライムフォームを最後に確認しておきましょう。
体は前傾しているのに、背中は丸まっていないのがよく分かると思います。
おへそをステムに近づけ、胸は開いてペダリングしましょう。
まとめ
最後におさらいをしましょう。
ヒルクライム用ペダリングで必要なことは
- 0〜3時で大きな力をかける
- 安定したペダリング
- 重心を前方へ動かす
の3点でした。
そしてヒルクライムのコツは
- 体重を使う
- ハムストリングスを使う
- おへそをステムに近づけて、胸を開く
の3点です。
平坦はいいけどヒルクライムが苦手!という方は、紹介した3点のうちどれかが欠けているのではないかと思います。
平坦もヒルクライムも、それほど大きな違いはありません。
あるのは、ちょっとしたフォームやペダリングの違いだけです。
すでに平坦が速い人は、ちょっとコツを掴めばすぐに登れるようになりますよ!
この記事が、ヒルクライムを克服する一助となれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。