こんにちは、坂バカ理学療法士のわさおです。
「ヒルクライムではパワーを一定にした方がいい」
「ヒルクライムでは一定速度で走った方がいい」
どちらも聞いたほうがあるフレーズですよね。
でも、この2つは似ていますが違います。
どちらが正しいのでしょうか?
今回のテーマはヒルクライムは”一定速度”と”一定パワー”どちらが速いのか?という問題についてです。
ヒルクライムの走り方を考えるきっかけになれば幸いです。
速度を一定にするメリット
平均パワーが同じ場合、より速く登れるのは速度を一定にした時です。
なぜなら一定速度は”慣性”を味方にできるからです。
慣性とは、一定速度で走る物体は、一定速度を維持しようとする、という物理法則ですね。
基本的に物体が移動するとき、一定速度なら新たに力を加える必要はありません。
しかし加減速すると、エネルギーを無駄に使ってしまいます。
加減速しない方がエネルギーロスは少なくなるため、より効率的に速く走ることができます。
普通に考えれば、一定速度は正義です。
速く登るためには、一定速度が一番効率的です。
では「一定速度が一番速い登り方なのか?」というとそうとも言い切れません。
次は一定パワーのメリットをみてきましょう。
パワーを一定にするメリット
物理的に考えると一定速度が一番速く登れることを今まで解説してきました。
しかし速く登るために考えなければならないことがあります。
それはロードバイクを動かすエンジンが人間だということです。
平坦や勾配が一定ならば、速度が一定ならパワーも一定になるので問題ありません。
でもヒルクライムで一定速度を維持する場合、勾配に合わせてパワーが変動します。
特に激坂で速度を維持するのは、かなりのハイパワーが必要です。
ヒルクライムを一定速度で走る場合、パワーの変動が激しいため脚を消耗してしまいます。
反対にパワーが一定だと、脚を無駄に消耗することはありません。
つまり、人間のパフォーマンスが最大限に発揮できるのは、パワーを一定にした場合です。
多少速度が変動してエネルギーロスがあったとしても、パフォーマンスがその分発揮できれば、一定パワーの方が速く登れることもあります。
ただし、ここで注意点が一つあります。
それは、一定パワーが走りやすいかどうかは人によって違うということです。
もちろん大半の人は一定パワーが一番走りやすいです。
ですが中には、パワーが変動した方が楽に走れるという人もいます。
インターバル耐性が高く、アベレージ走方が苦手なタイプですね。
プロでも軽量クライマーはこの傾向があり、激坂でもがんがん出力を上げて走っています。
そのため、一定パワーが有効かどうかはその人の脚質にもよるといえるでしょう。
大分ややこしくなってきましたね。
結論をいいましょう。
【結論】ヒルクライムが速くなる走り方
結論からいえば、一定速度と一定パワー、どちらが速いかは人によります。
ただし、まずは一定速度で走ることを意識して走った方が速くなれるでしょう。
なぜなら、人の脚質はトレーニングで変えることが可能だからです。
単純に速いのは一定速度で走った場合ですが、一定速度で走るとパワーが変動して脚を無駄に消耗してしまうのが欠点でした。
ですがトレーニングでインターバル耐性がつけば、パワーの変動に対して脚を消耗しなくなります。
そうなれば、一定パワーよりも一定速度で登った方が速いです。
ですので、まずは一定速度で走る練習をして、インターバル耐性をつけましょう。
でも全員が全員、インターバル耐性が身につくわけではありません。
人によってはインターバルがどうしても苦手な人もいます。
その場合は、一定パワーの走り方に切り替えちゃいましょう。
その方が速く登れるはずです。
最後にまとめましょう。
ヒルクライムにおいて、単純に速いのは一定速度、人が高いパフォーマンスを出せるのは一定パワーです。
まずは一定速度を維持する走り方でヒルクライムトレーニングをして、どうしても走りにくい場合は一定パワーを維持する走り方に切り替えるのが、おすすめの方法です。
実際に僕は、一定パワー走行から一定速度走行に変えてから、少しタイムが短縮できました。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。